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「1200ドルの給付金、何に使いましたか?」─「貯金」「シェルター」「寄付」…(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

「コロナ不況」の対策として、アメリカでは高額所得者以外のすべての個人に対し、1200ドルの現金給付が実施された。人々は、予想外のそのお金を何に使ったのだろうか? アメリカの女性向けメディア「ザ・リリー」が、20代から60代の女性7人にインタビューした。

●アシュレー・コーカー(24、編集者)─「家族のために竜巻用シェルターを」

業界誌の編集者であるコーカーが給付金を受け取る数日前、複数の激しい竜巻がアメリカ南部を襲撃した。そのうちの一つは、コーカーの母親と祖母が住んでいる地域や、コーカーの自宅のすぐ近くまでやって来た。

翌週、給付金を受け取ったコーカーは、昨年から温めていた計画のために給付金を使うと決意。その計画とは、母親と祖母のために竜巻用シェルターを設置することだ。
そうと決まれば、いろいろなことを考える必要がある。

シェルターを設置するのは地上か、地下か? 大きさについてはどうか? コストについては? 安いものは安全基準を満たしているのだろうか? 彼女は考えた。

「これがあれば死なずに済みますか?」と、シェルターの製造会社に訊いてみたりもした。

コーカーは工場街で育った。そこでは、シングルマザーの母親を含め、皆が工場で働いていた。「私たちにはあまりお金がありませんでした。でも、周囲の人々の暮らしぶりはどれも同じようなものでした」と彼女は言う。

コーカーの稼ぎは毎月およそ2900ドルで、少なくとも家賃の6ヵ月分の貯金額を維持したいと考えている。配送費と設置費を含め、地上シェルターの総額は約5700ドル。給付金をこれに費やすという決断は、彼女にとって容易だった。

今後数年間で、南部の竜巻がさらに激しくなるという気象学者の予測を、コーカーは何度も耳にしてきた。また、竜巻用シェルターの購入は、家族への恩返しにもなる。彼女の母親は最近身体障碍者となった。祖母は働いておらず、社会保障給付金で生活している。

てシェルターは、家族が安全に暮らせるという安心感をもたらしてくれる。だからこそ、投資する価値があるのだ。
●シャラレー・ドゥルーリー(31、エンタメ系ジャーナリスト)─「未払いの精算」

エンターテインメント関係のジャーナリストであるドゥルーリーは、以前はガソリン代に毎週40ドル以上費やし、スターバックスに立ち寄ったり、ランチで外食することもあった。そんな彼女もいま、自宅で働いている。

地元の病院の神経科で働く夫の収入と合わせると、夫婦の収入は年間およそ12万ドル。パンデミック以前、彼らが最も多く費やしていたのは、ガソリン代と1ベッドルームのアパートの家賃、月額2100ドルだった。
彼女の夫はいまも車で通勤しているものの、ガソリン代は少なくなった。代わりに、ドゥルーリーは食費を増やした。少なくとも2週間分の食料品をストックするようにしているのだ。彼女はそれが価値のあるお金の使い方であり、必要なことだと信じている。

ドゥルーリーはまだ給付金を受け取っていないが、使い道はもう決まっている。

給付金について調べていた際、2019年の税金──3000ドルの連邦税──をまだ支払っていないことに気付いたのだ。当初、給付金は15000ドルのクレジットカードの支払い(医療費、20代後半に払えなかった家賃の支払い、学生ローンなど)に充てるつもりだったが、その税金に充てることにした。

「大きく変わりました」と彼女は話す。

「パンデミック以前を振り返ると、私は外出してパーティーに参加し、つまらないことにお金を使っていました。でも今となっては、もうそのようにはできません」
●ジョー・アン・パアニオ(35、国家機関勤務)─「貯金」

パアニオの同僚たちは、「いきなりいままでで一番忙しくなったよね」と、冗談を言い合っている。

ある国家機関で、政策と権利擁護を担当する部門のトップを務める彼女は、ここ7週間リモートで働いている。その間、彼女のチームは連邦議会に働きかけ続けている。緊急の経済対策のなかに、自分たちが支援するコミュニティへの補助を含めてもらうためだ。
パアニオの支出は、交通費や昼食代から、自宅用の食材費へとシフトした。お金を使うことが少なくなると同時に、地元コミュニティの小規模ビジネスを支援する義務を強く感じていると言う。

「大好きな小さいカフェがあるんです」と彼女は話す。開店から数ヵ月でパンデミックに見舞われたそのカフェで、彼女は毎日コーヒーを買うようにしている。この店も、失業した元従業員も、今後どうなるのかはわからない。

4月中旬に小切手を受け取ると、彼女はすぐにそれを貯金した。「想定内の支出と予想外の支出の両方に対応できるよう、意識的に貯金するようにしてきたんです」と彼女は言う。

2007年、大学を卒業したばかりのパアニオは、非営利組織で働き始めた。住宅市場が崩壊しつつあった当時、立ち退き案件における法的支援の仕事をしていたパアニオは、人種、階級、性別に関係なく、無数の人々が助けを求めるのを目にした。彼女は、いまの状況に、過去と共通する部分を見出しているのだ。

万一のために給付金を貯蓄に回すことができる自分の状況を、彼女は幸運だと感じている。
●キャサリン・コルトゥム(36、エンジニア)─「フードバンクに寄付」

多くのアメリカ人と同様、コルトゥムは日々、食い入るようにニュースを見ている。

彼女が目にしたニュースのなかに、フードバンクの前で長い列を作って待つ人々の映像があった。コルトゥムはすぐに、それが自分の故郷、ピッツバーグのフードバンクだと理解した。
米国輸送調査委員会のエンジニアである彼女は、ワシントンD.Cに8年間住んでおり、経済的には問題ないと言う。いまの生活に満足しており、当初は給付金を受け取るつもりはなかった。

天然ガス業界で働いていた親のもとで育った彼女は、いつもお金には敏感だった。テキサスでオイル業界の苦境に直面したとき、家族はやむを得ずペンシルベニアに引っ越した。

父親が解雇された際、両親から経済的には問題ないと言われたものの、彼女はすぐにアイスクリーム店で働き始めた。自ら働くことで、経済的に安定している感覚を得ると同時に、家計に貢献しているように感じられたのだ。

ニュースでフードバンクの写真を見た直後、彼女は給付金を受け取り、すぐに寄付した。「自分自身のためでなくても、誰かのニーズを満たすことで給付金の目的が果たせるなら、それが一番だと思ったんです」と彼女は言う。

給付金の半分はワシントンD.C.のフードバンクに、残りの半分は同地のおむつバンクに寄付した。

「誰もが慎ましくも充分な生活を送れる世界になってほしいです。しかしいまの世界はそうではありません。だから私は助けたいのです」

●リズ・コディントン(37、3人の子供の母)─「家賃」

3人の母であるコディントンは、パンデミックによって再び家計が苦しくなり、かつての経済的に厳しかった頃に逆戻りしたような気持ちになった。

世界的不況の最中にあった2008年、彼女の夫はフロリダの学校で働いていたが、学校は突然閉鎖され、彼は失業した。
「家を買い、結婚し、子供も生まれたばかりでした」と彼女は言う。夫は新たに職を得たが、家族は引っ越しせざるを得なくなった。元の家の買い手は見つからなかった。さらに、夫が予期せず入院することになり、高額の医療費を請求され、夫婦は破産を余儀なくされた。

「不況のせいで、私たちは身動きがとれません」とコディントンは言う。

コディントンは10月に夫と別れ、生活を一新した。子供たちとともに、1月にオハイオ州に引っ越し、パートタイムでテレビの字幕制作の仕事を始めた。

しかし、間もなくパンデミックに見舞われた。コディントンは裁判所が閉鎖されたという知らせを聞き、元夫との養育費問題に急いで決着をつけようとしたが、未解決のままとなっている。子供たちは皆、特別支援を必要とする長子を含め、学校には行かず家で過ごしている。

「もう私を助けてくれる人はいません」と彼女は言う。

コディントンは給付金を家賃に充てた。家賃は給付額と同じ、ちょうど1200ドルだ。

「(給付金は)ボートに穴が開いて洪水状態になっているのに、コップに水を満たしてボートの脇に注いでいるようなものです。助けにはなりますが、私はいまにも溺れそうなんです」と彼女は話した。
●サナ・スルタン(52、元映画館副支配人)─「生活費」

最近、スルタンは家事をしっかりこなすようになった。以前よりもたくさんの料理を作り、週末は残り物で済ませるということもなくなった。ガレージの掃除もした。給付金を健康保険の支払いに充てたことも含めて、家族の世話をきちんとできていると感じている。

3月19日、彼女は映画館の副支配人の職を一時解雇された。そのときに最後の給料を受け取り、いまは失業手当を受けている。彼女の夫は2年前に健康問題で仕事を辞めている。
「私たちは裕福ではありませんでした」と彼女は言う。「でも毎月問題なくやりくりしていたし、少なくとも様々な請求に対応できるほどのお金はあったので、恵まれていると感じていました」

夫が仕事を辞めてから、スルタンは「一銭たりとも」無駄にしないことに細心の注意を払っている。彼女は最近、クレジットカード会社の一つに、支払いの遅延を了承してもらった。

●メアリー・フランカビラ(60、学生支援)─「子供のために貯金」

フランカビラと夫は、最近は多いときで週に6回ほど、地元のレストランにデリバリーを頼んでいる。3人の母親である彼女は、レストランがいま直面している問題をよく理解しているからだ。

コロラド州出身の彼女は、高等教育の現場で学生を支援する仕事をしていたが、いまでは半ば退職状態だ。副業として、大学生へのメンタルコーチの仕事をしている。元軍人の夫は、在郷軍人局で働いている。
夫婦の収入源は、フランカビラの退職金と副業の稼ぎ、夫の給料と軍の退職金、そして彼らが共に管理している3つの賃貸アパートの家賃収入で、合わせて月に12000ドルほどある。給付金は4月に受け取った。フランカビラは子供たちのために、全額を貯金することにした。

フランカビラが特に心配しているのは、33歳になる真ん中の娘だ。カイロプラクターの彼女は、パンデミック下で仕事を続けられず、店を閉めることを余儀なくされた。フランカビラは、自分の子供があからさまにお金を要求することはないとわかってはいるが、給付金で子供たちに夕食をごちそうしてやるなど、ささやかな支援を考えている。

しかし彼女にとって最も重要なのは、娘たちの辛さを受け止め、彼女たちが情熱を持って生きるための助けとなることだ。

「私は子供が自由な精神で世の中を生き、自分の道を進めるよう後押ししてきました」と彼女は語る。それは、フランカビラの歩んだ人生とは異なる人生だ。

2000年代初頭、彼女の夫は兵役を終え、コロラドに3つのシーフードレストランをオープン。それまで、フランカビラは育児をしつつ、大学でフルタイムで働いていた。

しかし9.11事件が起こり、軍は再び夫を招集した。

アフガニスタンに出征した夫に代わり、彼女はリモートでレストラン経営を始めた。しかし、飲食業の経験が豊富なわけでもなく、さらにフルタイムの仕事と3人の娘を抱える彼女にとってその荷は重すぎた。その後、レストランは閉店した。

3人の娘たちは、このときに両親の経済的不安を目の当たりにしたことで、貯蓄に敏感になったという。

こうした過去ゆえに、彼女と夫は毎日のようにレストランにテイクアウトを頼み、子供たちが必要とする場合に備えて、給付金に手を付けまいとしているのだ。

「このお金を手に入れましたが、私には必要ありません。必要としている人が使うべきです」

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May 17, 2020 at 09:30AM
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