
コロナ下でもオンラインツアーに取り組み鹿児島を発信する通訳案内士の堀切美貴子さん(本人提供)
「ザビエルが鹿児島に来たのはなぜ?。『分からない』は答えではない」。5月下旬、通訳ガイドを育成する鹿児島ワンダフルウォーク(鹿児島市)が開いた講演会で、講師を務めたアイエス通訳システムズ(同市)代表、山崎美智子さんが問いかけた。
山崎さんは通訳ガイドの国家資格である通訳案内士で、外国語に携わる人材の育成にも取り組む。コロナ後の外国人客について「地域に深く入り込んで、一生に一度の経験をしたい富裕層が増えてくる」と予想。「彼らは何でも尋ねてくる。地域文化の背景を含め、その地の良さを自分の言葉で話せる人材が必要だ」と訴える。
県PR観光課によると、通訳案内士の有資格者は県内に101人。2018年からは資格が無くても有償でガイドができるよう法改正されたものの、山崎さんは「ガイドは不足している」。一朝一夕にできる仕事ではないとして、コロナ下でも止めなかった育成を、外国人客の増加を見据えて続けていく考えだ。
九州通訳・翻訳者・ガイド協会の鹿児島県支部長、堀切美貴子さんは通訳案内士としての仕事が激減したコロナ下の時期を「月の収入が10分の1ほどの時もあった」と振り返る。同業者の中には塾の英語教師を始める人や、全く別の仕事に就く人もいた。
堀切さんはこの2年間で「いかに鹿児島でしか味わえない体験をしてもらうか」を考えてきた。ビデオ通話システムを使ったバーチャルツアーに取り組み、仙巌園や大島紬などを紹介。県内の酒蔵や農家を回り、生産者とのネットワーク作りにも励んだ。「鹿児島には観光資源が多い。それらをどのように“魅せる”か。いろいろ考えている」
一方で実働できるガイド数が少ないのを課題に挙げ、「需要が増えれば、ローカルな話を聞きに来る観光客に対応できなくなる」と懸念を語った。
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