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カタール航空、サッカーW杯を契機にレジャー需要拡大に期待、顕在化した新たな需要など日本支社長に聞いた - トラベルボイス(観光産業ニュース)

2022年11月20日から開催されるFIFAワールドカップで注目が高まる開催国のカタール。ドーハ、ルサイル、アル・ホール、アル・ワクラ、ライヤーンの5都市8会場で実施され、グループEの日本は11月23日にドイツとの初戦を迎える。そのドーハへは、成田からカタール航空が路線展開しており、ワールドカップ開催を契機とした日本発の需要拡大への期待は大きい。同航空日本・韓国支社長の宮本慎二氏に同社の動向を聞いてみた。

現在、カタール航空は成田/ドーハ線(QR807/QR806)を毎日運航している。コロナ禍で羽田/ドーハ線は運休し、関西/ドーハ線の再開は延期されたものの、成田路線は維持した。宮本氏は、「継続性は非常に重要。確定したフライトを供給してきたのは大きなアドバンテージ」と強調する。

また、ドーハのハマド国際空港をハブとして150都市と結んでいることについても触れ、「カタール航空にとって、ネットワークの拡張は生命線」との認識を示す。日本路線の売上トップは欧州各都市への乗り継ぎ。「フライトを検索した時に、乗り継ぎのバラエティを示せるのが強み」とその豊富な路線網に自信を示した。

これまでにない需要が顕在化

コロナ禍では、これまでにはない旅行パターンも見えてきたという。例えば、日本発ドーハ経由でパキスタンやネパール、オーストラリアに飛ぶ需要も顕在化。「世界中にはまだいろいろな需要がある」と話し、新たな収益源にも期待をかける。

さらに、自社ネットワークの拡張に加えて、ワンワールドメンバーとしての協業も進めることで、乗り継ぎ利便性を高めている。フィンエアーとは戦略的提携を結び、同航空が新たに開設したヘルシンキ、ストックホルム、コペンハーゲンとドーハを結ぶ3路線でコードシェアを始めた。また、ブリティッシュ・エアウェイズとは共同事業(JV)を拡大している。

ウクライナ危機によって、ロシア上空の飛行が制限されていることから、欧州/アジア路線は迂回を余儀なくされており、そのなかでその影響を受けてない中東の都市の存在感が高まっている。カタール航空も、ドーハを基点として、その利点を活かしていきたい考えだ。

「ツーリズムEXPOジャパン2022」のカタール航空ブースで。一方で、宮本氏は、乗り継ぎ需要だけでなく、FIFAワールドカップを契機として、カタールを目的地とする旅行需要の増加も目論む。「ワールドカップ誘致によってホテルも増えた。まずはカタールの文化、歴史、観光資源などにまず触れてもらうことが大切」と話し、観光デスティネーションとしての訴求も強めていきたい考えを示した。

現時点では1日の入国者数上限が設定されており、各航空会社に割り当てられている販売座席数も限定的だが、宮本氏は「9月の搭乗率は高い」と明かす。10月11日からは、入国者数上限は撤廃され、訪日客のビザ免除再開や個人旅行も解禁される。「レジャー需要はまだ道半ば」(宮本氏)だが、コロナ前に戻ることで、双方向の需要回復に期待がかかるところだ。

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