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インフレ手当 1人10万円給付で「モノを買う経済」に | 玉木雄一郎「新しい政治」 | 玉木雄一郎 - 毎日新聞

 岸田内閣は物価高とコロナ禍への対応として、予備費を使い、住民税非課税世帯に対して5万円を給付するなどとしている。

 しかし、この対応は年内、10、11、12月の3カ月を視野としたものだ。今から年度内の6カ月に向けた対策を打たないと後手後手になる。我々は国民1人あたり10万円を「インフレ手当」として一律給付するなど総額23兆円規模の経済対策をまとめた。政府・与党に補正予算を編成するよう求めていく。

モノを買わなくなる悪循環

 日本経済の最大の問題は需要不足だ。米国でも物価は上がっているが、エネルギー価格の上昇などもあるとはいえ、基本的に経済が好調で、需要が物価を押し上げている部分が大きい。(デマンドプル型インフレ)

 日本は円安で輸入価格が上昇していることによるコストプッシュ型インフレ、いわば「悪いインフレ」だ。依然として供給過多のため、物価が上がっているといってもすぐにデフレに後戻りする危険がある。(1)エネルギー価格の対策(2)需要不足を補う(3)物価上昇以上の賃金上昇率を実現する――の3点が重要だ。

 参院選後、全国を回って生活者の声を聴いているが、地方に行けば行くほど、生活実感は厳しい。特に今年は年金が下がっている。先日北海道にも行ったが、冬に向けて暖房向けの電気代の負担が厳しいという声をよく聞いた。そこで電気代に上乗せされている再生可能エネルギーの賦課金を一時停止して、電気代を1割以上下げることを提案している。

 国民民主党が一貫して主張しているのは、家計第一の経済政策が必要ということだ。可処分所得を増やして消費を活性化させる。消費を軸とした好循環を作っていくことが、国民民主党の経済政策の根幹だ。

 賃金以上に物価が上がり、そして年金も下がると、消費を減少させる圧力がかかる。企業がどれほど努力してもモノが売れなくなり、企業が賃上げできない悪循環に入る。家計の消費力をいかに保つか、いかに上げられるかが一番重要だ。

なぜ一律10万円か

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