[シドニー 6日 ロイター] - 本日開催された理事会では 、キャッシュ・レートの目標値を25ベーシスポイント(bp)引き上 げ、3.10%とすることを決定した。また為替決済残高の金利を25 bp引き上げ3.00%とした。 オーストラリアのインフレ率は高すぎる水準にある。10月の消費 者物価指数(CPI)は前年比6.9%上昇した。この高インフレは世 界的な要因によるところが大きいが、需要に対応できる経済の能力に対 し、内需が強いことも一因だ。インフレ率を目標値に戻すには、需要と 供給のバランスをより持続可能なものにする必要がある。 インフレ率は今後数カ月間にわたってさらに上昇し、今年中に約8 %のピークに達すると予想される。世界的な供給サイドの問題が解決さ れつつあることや、最近の一部の商品価格の下落、需要の伸びの鈍化な どにより、来年はインフレ率が低下する見込みだ。中期的なインフレ期 待は依然としてしっかり固定されており、この状態を維持することが重 要だ。豪中銀の中心的な予測では、CPI伸び率は今後2、3年で低下 し、2024年には3%をやや上回る程度になるとみられている。 国内経済は堅調な成長を続けている。今後1年間は世界経済が減速 し、サービス支出の回復が一巡し、金融引き締めにより個人消費の伸び が鈍化するため、経済成長は緩やかになると予想される。豪中銀の中心 的な予測では23年と24年の成長率は1.5%程度とされている。 労働市場は依然として逼迫し、多くの企業が人材の確保に苦慮して いる。10月の失業率は3.4%に低下し、1974年以来の低水準と なった。求人倍率と求人広告は最近若干低下しているが、いずれも非常 に高水準にある。労働市場の余剰資源が吸収されるにつれて雇用の伸び も鈍化している。賃金は過去数年の低水準から持ち直しつつあり、労働 市場の逼迫とインフレ率の上昇により一段の伸びが予想される。物価と 賃金のスパイラルを回避することの重要性を踏まえ、理事会は今後とも 労働コストの推移と企業の価格設定行動の双方に細心の注意を払ってい く。 金利は5月以降大幅に引き上げられた。これは現在の高インフレ局 面を一時的なものにするために必要なものだ。高インフレは経済に打撃 を与え、人々の生活をより困難にする。低インフレを再び定着させ、イ ンフレ率を時間とともに2-3%の範囲に戻すことが理事会の優先事項 だ。 金融政策には時間差があり、金利上昇の効果は住宅ローンの支払い にまだ完全には反映されていないことを理事会は認識している。個人消 費は今後減速すると予想されるが、時期と程度は不確かだ。もう一つの 不確実要素は悪化した世界経済の見通しだ。理事会はインフレ率を目標 値に戻し経済を安定させることを目指しているが、こうした不確実性は 、さまざまなシナリオがあり得ることを意味する。必要なインフレ率の 低下と経済の軟着陸を達成するための道筋は依然として狭い。 理事会は今後さらに金利を引き上げることを想定しているが、あら かじめ決まった道筋はない。世界経済、個人消費、賃金・物価設定の動 向を注視している。将来の利上げの規模とタイミングは引き続き、イン フレと労働市場の見通しに関する理事会の評価、および今後入手される データによって決定される。理事会はインフレ率を目標に戻すという決 意に変わりはなく、そのために必要なことを行う。 (ーからご覧ください)
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