新型コロナウイルスによる行動制限が撤廃されるなか、夜の街にも客足が戻りつつある。深夜に店を開ける飲食店も増えてきているが、店舗によっては深夜営業をするにあたり、届出や許可が必要なケースがある。違反した場合は罰則もあるため注意したい。そこで今回は、飲食店が深夜営業をする上で知っておきたい、届出や手続きの方法などを解説していく。
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深夜営業の届出や許可が必要な飲食店は?
飲食店が営業をするためには、保健所に営業許可申請を行うが、深夜営業を行う際は、公安委員会への届出も必要となる場合がある。そもそも深夜営業とは、「午前0時~6時」の間に営業を行うこと。飲食店がこの時間に営業をする場合、「深夜における酒類提供飲食店営業届出」を出す必要がある。“深夜営業許可”と言われることもある届出で、違反した場合は、罰則(50万円以下の罰金)が科されることとなる。
ただし、全ての飲食店が深夜営業の届出を出さなければならないというわけではない。深夜営業の届出が必要となるのは、酒類の提供を中心とする飲食店。つまり、バーや居酒屋といったアルコールをメインとする店舗が対象となる。主食(米飯、パン、麺類など)と認められるメニューを常時提供している飲食店に関しては、届出を出す必要がない。
また、深夜営業で酒類を提供し、客に遊興(※)をさせるナイトクラブなどの飲食店は、「特定遊興飲食店営業許可」を取る必要がある。なお、接待を伴う飲食店は「風俗営業許可」の取得が必要だが、風俗営業許可を取ると深夜営業はできないため注意したい。
このように、一言で深夜営業といっても、提供するメニューや営業形態によって対応が異なる。特に、お酒を提供している飲食店は、深夜営業の届出や許可が必要なのかよく確認してほしい。
※遊興…来店する不特定の客に、店側が積極的に遊び興じさせることを指す。ダンスを踊らせる、ショーやライブを見せる、カラオケをさせる、スポーツの応援をさせることなどが該当する
飲食店が深夜営業をするには、立地や設備の条件がある
ここからは、「深夜における酒類提供飲食店営業届出」について詳しく解説をしていく。届出をすれば、どんな飲食店でも深夜営業ができるかというとそうではなく、立地や設備面の条件をクリアしなければならない。
まず立地だが、深夜における酒類提供飲食店の営業禁止地域では、お酒の提供を中心とした深夜営業をすることはできない。都市計画法上で、住居系の地域とされている場所は、原則営業が禁止されていることが多い。飲食店経営者としては、物件の契約前に、深夜営業が可能な地域かどうか確認をしておきたいところだ。
また、設備についても以下のような条件を満たさなければならない。
・客室の床面積が9.5平方メートル以上(客室が1室の場合は除く)
・客室の見通しを妨げるような設備がない
・風俗環境に害を与えるような写真や装飾などがない
・客室の出入口に施錠設備を付けない(店外に通じる出入口は除く)
・照度が20ルクス以下にならないようにする
・騒音や振動が各都道府県の条例違反とならないようにする
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「深夜における酒類提供飲食店営業届出」の提出場所や期限は?
深夜における酒類提供飲食店営業届出は、店舗所在地を管轄する警察署の担当窓口を通じ公安委員会に提出する。期限は、営業開始日の10日前まで。「深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書」と「営業の方法を記載した書類」については、警視庁のホームページからダウンロードできる。
・深夜における酒類提供飲食店営業 営業開始届出書
・営業の方法を記載した書類
・営業所の平面図
・本籍が記載された住民票の写し
・定款・法人登記事項証明書および全ての役員の住民票(※法人のみ)
飲食店の深夜営業は、公安委員会への届出など大変な面もあるが、場所によっては需要が高い。立地や設備面の条件など守らなければならない項目をしっかりと確認した上で、需要がある地域の飲食店は、ぜひ営業を検討してみてはどうだろうか。
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