
「創業100周年を迎えられるのも社是の『良心的な電気工事』の下、諸先輩が誠意をもって全力で仕事をして、顧客に認められた積み重ねだと理解している。今後も良い仕事を続け、受け継いだ“光”をしっかりと次の100年につなげる。そして入社当時から家族的だった雰囲気に磨きをかけ、社員が『会社に出社してみんなに会いたい、一緒に仕事をしたい』と思える職場環境や企業風土を目指す」
--経営の基本方針を
「基本は人、安全、品質と考える。建設投資は引き続き堅調だが、次の飛躍に向けて足場を固めるため、社員の労働時間を考慮しながら施工力に応じた適正な工事量を受注していく。労働環境の改善と人材育成にも注力する」
「社員が生き生きと安心して働ける会社をみんなでつくり、その結果、社員が働く意義と誇り、誠実さを持って働けるようになれば、適正な工事量の下で顧客に安全と品質を提供できる上、他社との差別化にもつながる。東光に任せれば安心・安全で、次も任せられるという認識に顧客もなるはずだ。社員からは、自分の子どもを働かせたいと素直に思われる会社でありたい」
--事業戦略は
「青木宏明前社長がいち早く取り組んだ再生エネルギー関連の事業が当社の重要な経営基盤の一つに成長した。これを深化させる。本業の内線工事では旺盛な建設需要があるため、施工体制のバランスを考えながら進める。送電線事業は再エネ需要や電力のレジリエンスに伴う連系線需要で仕事は多い。課題の人材を確保しながら対応していく」
--働き方改革に向けて
「施工力に応じた適正な工事量の確保と生産性の向上を進める。既にシニアなどが現場を遠隔から支えるリモートサポート課などバックアップ体制は整備した。現場しかできない業務とそうでないものを洗い出し、今後は社内で分業のようなことも進めたい。現場作業を効率化するツールを他社と開発する。DX(デジタルトランスフォーメーション)も加速させる。4月からは中期DX人材育成計画をスタートし、会社全体のリテラシーを向上させ裾野を広げるため、ITパスポートの取得を進めている。いずれはDXの専属部隊も設けたい」
--人事制度は
「24年度から新人事制度を始める。年功序列の要素が強く、職務内容と処遇などにミスマッチがある現行制度を変えることで『成果が社員に適切に分配され、労働価値が享受できる企業』を体現する。総合職、一般職の区分廃止、役割等級制度の導入、65歳定年延長などがその柱だ」
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(やまもと・たかひろ)1980年3月東京電機大工学部電気工学科卒後、同年4月東光電気工事入社。2019年6月専務兼執行役員工事統括部・技術統括部・施工力強化対策室担任、20年6月専務兼執行役員工事全般・技術部門担任、22年6月代表取締役副社長兼執行役員管理・経理部門・事業部・工事部門担任、23年6月21日から現職。趣味はスポーツ観戦。東京都出身。58年3月24日生まれ、65歳。
【記者の目】
抱負で触れた『受け継いだ“光”』。社名にちなんだのか尋ねると、「完璧でしょ」とおどけてみせて周囲の笑顔を誘った。そうした一面をのぞかせる一方で、社長就任前から全国行脚し、少人数に分けて社員の声に耳を傾け、真剣に寄り添う姿勢も見せている。社員はこの対話で自由に発言しているという。それだけ厚い信頼を寄せられている存在であることがうかがえる。次の100年に、受け継いだ“光”をつなぐための新たなリーダーとして、今後の手腕が注目される。
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