米債券トレーダーは波乱含みの1週間に備えている。7日に発表される6月の米雇用統計次第では、投資家を米国債市場に誘い込む水準と市場ウオッチャーが予想する4%に向けて、米10年債利回りが押し上げられる可能性がある。
6月29日の米国債市場では、1-3月(第1四半期)の米実質GDP(国内総生産)確定値が上昇修正されたことや、米新規失業保険申請件数の大幅減少を受けて、10年債利回りは一時3.89%と、4%の大台にあとわずかまで接近した。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局による年内利下げ観測が後退し、米国債利回りは大半の年限で年初来の高水準に近づいた。
3日からの週は、雇用統計をはじめとする6月分の主要経済指標の発表が本格化し、同月13、14両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨も公表される。
しかし、債券投資家にとって現時点で重要なのは、4%近辺の利回りが魅力的であるかどうかと、米金融当局がインフレを抑制することができないリスクを十分に埋め合わせるかどうかという点だ。
クレディットサイツのシニア債券ストラテジスト、ザカリー・グリフィス氏は10年債利回りが4%の水準となれば、投資家からの「需要の高まりがあるだろう」と話す。
クレディットサイツは、7月25、26両日の次回FOMC会合での0.25ポイント追加利上げの確率を五分五分と予想するとともに、2024年には毎会合で0.25ポイントずつの利下げを見込んでいる。
4.5%は控えめな水準
一方、JPモルガン・チェースの金利ストラテジストは米国債相場の強気見通しを撤回した。また、ダドリー前ニューヨーク連銀総裁は10年債利回りのピークについて、4.5%は「控えめな見積もりだ」との 見方を示した。
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これらはいずれも、米金融当局がインフレ抑制にあと何回、追加利上げしなければならないかや、当局が痛みを伴うリセッション(景気後退)を招かずにインフレを退治することができるかどうかに左右される。
FOMCは6月の会合で、市場の大半の予想通りフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5-5.25%に据え置く一方、最新の四半期経済予測で年内あと2回の追加利上げ見通しを示した。
5日に公表されるFOMC議事要旨では、金利据え置きの論拠が明確になる可能性がある。パウエル議長は、これまでの利上げが経済にどのような効果を及ぼしているのかを評価するため、利上げ休止が適切だったと説明している。
3月には、金利上昇に絡んだ保有証券の損失などで一部の米地銀が経営破綻し、トラブルの兆候が顕在化したが、雇用関連など他の経済指標は引き続き堅調だ。
みずほセキュリティーズのマクロ戦略責任者、ドミニク・コンスタム氏は「米金融当局が現行の引き締めサイクルを本当に打ち止めとする上で、軟化が必要な部分として市場は労働市場を非常に注視している」と分析。当局は「政策がインフレ抑制に十分景気抑制的ではないと懸念しているのは明らかだ」と話した。
原題: Dizzying Bond Moves Put 4% Yield in Play to Win Over Investors(抜粋)
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