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焦点:中国投資家が海外ファンドに殺到、枠不足のリスクも - ロイター (Reuters Japan)

[香港/上海 29日 ロイター] - 中国の個人投資家が海外資産の金融商品への投資を拡大している。国内株式市場の低迷、地政学的リスク、通貨人民元の下落などが背景で、投資先の分散にもつながる。

 8月29日、 中国の個人投資家が海外資産の金融商品への投資を拡大している。上海で2022年11月撮影(2023年 ロイター/Aly Song)

数少ない海外投資ルートの一つである適格国内機関投資家(QDII)プログラムに基づいて発行された上場投資信託(ETF)や投資信託に資金が殺到しており、ファンドマネジャーはより多くの枠を求めて奔走している。

アナリストによると、QDII商品に投資している人々は、もはや香港株で満足せず、米国や日本、さらにはベトナムやインドなどの新興市場に投資するファンドを求めている。

モーニングスターのデータによれば、今年設定されたQDIIファンドは17日までに38本と、2022年の31本を上回り過去最高となった。

ファンドコンサルタント会社Z-Benアドバイザーズの調査部門責任者アイバン・シー氏は「昨年末から米国株への需要が見られ、リターンが大きいことから今年は需要がさらに高まっている」と話した。ナスダック関連のETFが特に人気という。

約1655億ドルのQDII枠はほぼいっぱいだが、投資家が国内株式や不動産に代わる投資先を求めているため、需要はまだあるとファンドマネジャーは指摘している。

<QDII枠は不十分との声>

資産運用会社からは国家外為管理局(SAFE)がQDII枠の追加が遅いとの声が聞かれる。

アント・フィナンシャル傘下の天弘基金は今年上半期に、米ナスダック100指数、海外主要製造業株、海外電気(EV)自動車株に投資する3本のQDII商品を設定した。新商品を計画しており、7月に1億2000万ドルのQDII枠を新たに獲得したが、希望したより少なかった。

同社の国際事業責任者リュウ・ドンは「多くの資産運用会社はオフショア投資枠が足りないと感じており、もっと増やしたいと考えている」と語った。

スタンダード・チャータード銀行の中国マクロ戦略責任者ベッキー・リュー氏はQDII枠の認可ペースが遅くなっていると指摘し、人民元を安定させるために規制当局が海外投資を抑制するかもしれないと述べた。

資本流出が歴史的な高水準に達する可能性があるとした上で、15年の人民元安に伴い主にグレーな取引で大規模に資金が流出した状況とは異なると指摘。「今回の資金流出は合法的なルートが中心だ。外国資本が中国株を売却しているのではなく、中国人投資家による対外投資だ」と語った。

<旺盛な需要>

中国証券投資基金業協会(AMAC)のデータによると、QDII投資信託の規模は7月末までに初めて4000億元(548億5000万ドル)を超えた。7月時点で255本の投資信託が設定されていた。

最大級のQDII・ETFである「Guangfa NASDAQ─100 ETF」の運用資産は上半期に48%急増し170億元となった。一部のファンドは規模を管理するために募集を停止せざるを得なかったという。

JPモルガン・アセット・マネジメントは海外ファンドへの関心が高まっていると指摘。日本に特化した株式ファンドが今年上半期に3倍以上になったことを受け、9月に新しいナスダック100QDIIファンドを立ち上げると明かした。

JPモルガン・アセット・マネジメント・チャイナのデジリー・ワン最高経営責任者(CEO)は「国内投資家の分散投資需要により海外ファンドへの関心は今後も続くだろう」と述べた。

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