[オタワ 25日 ロイター] - カナダ銀行(BOC、中央銀行)は25日の理事会で、政策金利である翌日物金利の誘導目標を予想通り5.0%に据え置いた。今後の成長鈍化を見込みつつも、インフレが2024年半ばまで平均3.5%で推移する見通しとし、追加利上げ余地を残した。
中銀は声明で「過去の利上げが経済活動を抑制し、物価圧力を緩和させているという証拠が増えている」と指摘。「一連の指標は経済の需要と供給が均衡に近づきつつあることを示唆している」とした。
インフレは24年下期には約2.5%に鈍化し、25年末までに2%の目標に回帰する見込みとしつつも、「エネルギー価格とコアインフレの継続的な持続性により、短期的な軌道はさらに高くなる」という見通しを示した。
同時に、コアインフレを示す指標には「さほど下方モメンタム」は見られないとし、追加利上げの可能性に含みを持たせる文言を維持。「物価安定に向けた進展の遅れとインフレリスクの高まりを懸念しており、必要に応じ政策金利をさらに引き上げる用意がある」と言明した。
物価安定へのリスク要因としては原油価格の上昇と、地政学的な不確実性増大につながるイスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの紛争と指摘した。
マックレム中銀総裁は記者団に対し、インフレリスクが7月以降高まったと指摘。「われわれは多くの進展を遂げたが、まだ(目標には)到達していない」とし、金利を22年ぶりの高水準である5.0%に維持する必要があるという認識を示した。
23年の成長率見通しは1.2%、24年は0.9%とし、それぞれ7月時点の1.8%、1.2%から下方修正した。世界経済は減速し、最近の世界的な債券利回りの上昇は需要を圧迫していると指摘した。
マックレム総裁は、経済の「ソフトランディング(軟着陸)に向けた道筋は狭く、今回の見通しに基づくと道筋はさらに狭まった」と述べた。
中銀の決定を受け、短期金融市場では年内追加金利観測が後退し、12月に追加利上げが実施される確率は約18%となった。
TDセキュリティーズのチーフカナダストラテジスト、アンドリュー・ケルビン氏は「中銀の経済を巡るハト派的なトーンを考慮すると、12月に行動を起こすために迅速に方向転換するのは難しいように感じる」と述べた。
フランクリン・テンプルトン・カナダの債券部門ディレクター、トム・オゴーマン氏は「いずれ利上げが経済に打撃を与え、おそらく景気後退に近い段階に差しかかかりつつある」と述べた。
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