「たとえば、サムスン電子は社長室にディスプレイが4台並び、経営者がリアルタイムに、自社製品が世界中でどの程度売れているか、どれくらい供給されているかをダッシュボードで見られるようになっている」という。リアルタイムに状況を把握することで、たとえばどこかの国の工場で部品調達が滞ったり、操業が止まったりしたときに、「迅速に意思決定が行える」と藤原氏は話す。
「サプライチェーンの現場のオペレーションは極力システムに任せ、将来の販売や生産に関わる重要な意思決定や戦略を人がきちんと考える仕組みが整備されれば、トップダウンでかつ短時間での意思決定が可能になると考えます」(藤原氏)
そして、特にSCM経営の導入による即効力が大きいのが中小製造業だ。藤原氏は「日本は製造業、中でも中小企業が多く、次代を担う優秀な製造業も増えている」とし、「経営メンバーがある程度全体を見渡せる中小製造業の場合、グローバル標準の枠組みに則ったベストプラクティスの業務プロセスに合わせ、トップダウンで素早くオペレーションの仕組みを構築することも可能ではないか。それによって不要な在庫を抑えキャッシュフローも改善される」と話す。
現場の優秀さ・強さが日本の競争力の源泉であることに鑑みれば、マネジメントが自らグローバル標準の枠組みを学び、かつ今よりさらに計画や企画にコミットするマインドを持つことで、日本の製造業はさらに強くなる可能性があるとの提言だ。
しかし、従来のSCMソリューションは、費用が高く中小企業が容易に導入できない課題がある。人材も予算も多い大手企業であれば、専門のコンサルタントを雇い時間をかけてソリューションを導入することも可能だ。しかし、人的リソースにも予算にも限りのある中小企業では、大手企業と同じ仕組みを導入することが難しい。
そこで、こうした課題を解決するのが、SaaS型SCMソリューション「PlanNEL」(プランネル)だ。これは、同社のサプライチェーンマネジメントのソフトウェア「T3」(ティーキューブ)における20年超の実績をもとに、日本の製造業向けにカスタマイズをせずに世界標準のSCMを実現するSaaS版として開発されたものだ。
中小企業でも利用しやすいよう、低コストで導入可能なソリューションとなっている。マーケティング室 マーケティングマネージャー 渡辺想一朗氏は、「SaaSなので、企業が別途インフラを準備する必要もなく、導入もスピーディに、コンパクトに行うことができる」と話す。
グローバル標準のベストプラクティスのSCMに則りつつ、必要十分な機能を中小企業でも導入しやすい金額設定で提供している。
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