家庭感染防止に隔離シェルター 三重の会社員らが商品化へ - 47NEWS

2020.5.10 18:08 共同通信

簡易的な隔離シェルターの試作品「コロナックス」＝4月、津市

　新型コロナウイルスに感染し自宅療養する軽症や無症状の人向けに、三重県の会社員ら5人が簡易的な隔離シェルターの開発を進めている。「コロナをなくしたい」との思いから「コロナックス」と名付けた試作品の原価は約4万円。なるべく安価での商品化を実現するため、知恵や技術を持つ協力者を全国から募っている。

　発案したのは大手電機メーカー勤務の北村裕紀さん（51）＝同県明和町＝で、仕事で得た空気循環の知識を駆使した。

　試作品は縦210センチ、横100センチ、高さ105センチ。シングルベッドが収まるサイズで、中に人が横たわった状態で使う。プラスチック製の骨組みをビニールのシートで覆った。シェルター内の空気は、室内での飛沫感染を防ぐため、頭側の側面に付けた音が静かな換気扇からダクトを通って窓の外へ排出される。

　換気扇の反対側のビニールには長方形の穴が開いており、飲食物や書籍などの出し入れも可能だ。換気扇がつくる空気の流れで、シェルターの外に空気が漏れないようになっているという。

　シェルター内は、胸の辺りでビニールが仕切り板のように垂れ下がり、空間を二つに分割。ウイルスが広がるのは頭側だけなので、換気する空間の体積を小さくでき、換気効率を上げることができるとしている。

　感染者が国内でも増加した3月に着想。プライベートで親交のあった建設会社役員の田中宏和さん（26）＝同県大台町＝らの協力を得た。ホームセンターで材料を調達し3月末から試作していた。

　4月下旬にメディアに取り上げられると、県内外の企業から「ビニールを提供したい」「力になれないか」と問い合わせがあり、中には「早く買いたい」という声も。

　北村さんは「災害時の避難所での活用も考えられる。商品化には医療従事者のより専門的な助言や生産能力が必要。一緒に困っている人の助けになろう」と呼び掛けている。問い合わせは田中さんのメールibu.ken0＠gmail.comまで。

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