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インスタグラムの新機能、「リール」がローンチ:まずはコミュニティの構築が最優先 - DIGIDAY[日本版]

インスタグラムは、TikTokに対抗すべく生み出されたリール(Reels)を、米国とそのほか50の市場で今週ローンチすると発表した。リールは、アプリの「発見(explore)」タブから閲覧することができ、現在のところ広告は掲載されていない。専門家によるとこの背景には、マネタイズを試みる前に、アプリ上での体験やコンテンツを育成するという意図的な戦略があるのだという。

ユーザーはリールを活用すれば、15秒間の動画を作成し、音楽や特殊効果を付けて編集することができる。TikTokの「レコメンド」と同様、リールの重点は新しいコンテンツを発見することだ。ユーザーは企業アカウントも含め、多くのインスタグラム視聴者とリールのコンテンツを共有することができるという。

しかし、インスタグラムとFacebookの広告に慣れている企業は、いくつかの重要な違いを認識しておく必要がある。というのも、あるエージェンシーのバイヤーによると、リールはまだ、エージェンシーに広く売り込まれていないという。このバイヤーによると、「インスタグラムはまずコミュニティの構築に取り組んでいる」という。

マネタイズはまだ先

現在のところ、リールには広告枠がない。これはユーザーを集める上で、TikTokとの差別化の重要なポイントになるかもしれない。広告主やインフルエンサーは料金を払って、動画をブーストさせたり、インスタグラムの社員が選んだ 「featured」 セクションに表示させることはできない。また、インスタグラムのメインフィードでは、インフルエンサーがプロモーションのために、広告主から支払いを受けていることを示す、ブランドデッドコンテンツタグがあるのに対し、現状リールではそれが存在しない。

また、ビジネスアカウントを使用する場合、ストーリーズ(Stories)のようにコンテンツを作成することは可能だが、ライセンス制限があるため、音楽ライブラリにはアクセスできない。

「我々は現在、リールでの体験をユーザーやクリエイターにとって素晴らしいものにすることに注力している。しかし、将来的には収益化の機会を期待している」と、インスタグラムの広報担当者は述べる。また、ブランドデットコンテンツタグについても、「今後、統合する予定だ」と付け加えた。なお、動向に詳しい関係者によると、広告主、エージェンシー、パブリッシャーは、リールの最新トレンドやクリエイターを紹介する定期ニュースレターにアクセスできるという。

リールのグローバルローンチは、米国と中国の政治的対立の激化に巻き込まれ、困難な時期を迎えているTikTokにとって悩みの種になり得る。トランプ大統領は、TikTokの親会社であるバイトダンス(ByteDance)に対し、9月15日までに米国でTikTokの買い手を見つけるか、さもなくば米国でのTikTokの使用を禁止するという姿勢を見せている。しかし、アプリの禁止が法的にどのように機能するかの正確な詳細は、実のところまだ不明である。また、マイクロソフト(Microsoft)は、米国でTikTokを買収し、同アプリを米国とカナダ、オーストラリア、ニュージーランドで運用することを協議中であると認めている。

TikTokはどう出るか

一方TikTokは、リールを彼らにとってライバル、もしくはCEOのケビン・メイヤー氏が同社のブログ記事で述べたように「TikTokの模倣品」として見ている。また、リールのローンチ前に収録されたDigiday Podcastで、TikTokの米国及び欧州向けグローバルビジネスソリューションのVPを務めるブレイク・チャンドリー氏は、リールについて 「競争力のあるサービスだ」 と語っている。

「インスタグラムは、積極的にTikTokクリエイターを呼び寄せるつもりだろう。我々はそれを知っているし、実際彼らがすでに一部のクリエイターにターゲットを絞っていることも知っている」とチャンドリー氏。「おそらくその数は少ないだろうが、いずれにせよ問題ではない。これは単なる競争だ。我々はこれまでも競争を受け入れてきたし、これからもそれを望んでいる。なぜなら、競争こそがサービスをより良くするからだ」。

先月、ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)は、インスタグラムがTikTokの一部のクリエイターたちに、リールへの乗り換えを促すべく金銭的なオファーを行なっていると報じた。その翌日、TikTokは同社のクリエイター向けファンドの規模を、3年間で2億ドル(約211億円)から10億ドル(約1055億円)に拡大すると発表した

リールへの期待と懸念

TikTokでもっともフォロワー数が多いアカウントは、TikTokで有名になったスターか、もしくはその前に登場したVine(ヴァイン)のようなほかのビデオアプリ出身者であることが多い。一方、インスタグラムで人気のあるアカウントは、主にスポーツや音楽、エンターテイメントで有名になったセレブたちである。コンテンツプラットフォーム、ポストビヨンド(PostBeyond)の分析によると、もっともフォローされている3つのTikTokアカウントは、チャーリー・ダメリオ(7700万)、ローレン・グレイ(4600万)とザック・キング(4700万)だ。一方インスタグラムは、同社の公式アカウント(3億5900万)がもっともフォロワー数が多い。続いてクリスティアーノ・ロナウド(2億3400万)、アリアナ・グランデ(1億9600万)、ドウェイン・ジョンソン(1億9200万)となっている。

また、アバカスグロース(Abacus Growth)のグロースマネージャーであるオーウェン・ランドフェルド氏によると、「インスタグラムには、まだ相当数のTikTokユーザーがいる」という。加えて、同社でTikTokパートナーマネージャーを務める人物は5月、TikTokユーザーの約60%がFacebookを利用しておらず、インスタグラムに関しても、30%が利用していないと述べている。

インフルエンサーマーケティングを支援するアンプリファイ(The Amplify)のCEOであるエイミー・ルーク氏は、インスタグラムは今後TikTokファンをそのアプリからいかに引き離すかという課題に直面するだろうと述べた。「リールは既存のインスタグラムユーザーにとっては楽しい機能になるだろうが、新規のZ世代ユーザーの増加にどれだけ貢献するかはわからない」。

フィードの飽和が起きている

世界中に、少なくとも10億人のインスタグラムユーザーがいることを考えると、既存ユーザーにリールを利用してもらうだけでも、将来的にその価値は広告主にとって魅力的なものになるかもしれない(リサーチ企業のセンサータワー[Sensor Tower]によると、TikTokの米国内のユーザーは1億人、TikTokアプリとドゥイン[抖音:中国版TikTok]は、これまでに20億回以上ダウンロードされている)。

「広告を出稿する側が、プラットフォームのフィードを横断してプロモーションを行う際に考えるのは、どのように自らのメッセージを目立たせるかということ。いま起きているのはフィードの飽和だ」と、エージェンシーのエッセンス(Essence)で、メディアアクティベーションディレクターを務める、エリオット・ジョージョウ氏はいう。

加えて同氏は「昨今のユーザーは音楽に重点を置いていて、フィードをミュートにしたり、飛ばし見することに慣れている。アテンションとカットスルーの可能性は、音楽に重点を置いているリールの方が遥かに強力だ」と付け加えた。

[原文:‘Building up a community first’: Instagram Reels has little on offer for advertisers — for now

LARA O’REILLY(翻訳、編集:村上莞)

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August 07, 2020 at 06:50PM
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