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売上高が38億→82億円に大躍進 “ネットショップの参入障壁”下げる「BASE」の戦略、CFOに直撃 - ITmedia

 ネットショップ作成などのサービスを展開する、EコマースプラットフォームのBASEが好調だ。個人や小規模事業者がネットショップを簡単に作れるサービスを提供していて、ショップの開設数は5月に150万ショップを突破。開設実績は「直近1年以内にネットショップを開設する際に利用したネットショップ作成サービスの調査」(調査委託先:マクロミル)で、4年連続1位に選ばれた。

香取慎吾さんが登場しているBASEのトップページ(以下写真はBASE提供)

 2020年12月期の決算では、連結売上高が82億8800万円と、前期の38億円から大幅増。連結の経常利益は7億4700万円(前期は4億5500万円の赤字)、純利益5億8400万円(前期は4億5900万円の赤字)と黒字に転換した。20年9月には新株式発行により124億円の資金を調達。11月には国内最大のクラウドファンディングのCAMPFIREと、21年1月にはメディアプラットフォームのnoteと資本業務提携を発表している。

20年12月期の決算では、連結売上高が82億8800万円と、前期の38億円から大幅増(決算資料25ぺ−ジより)

 BASEは初期費用や月額費用が無料で、加盟店は売り上げから低額の手数料を支払う仕組みだ。さらに、ネットショップに必要な資金をリスクなく調達できるYELL BANKなどのサービスも提供している。資金調達や資本提携によって加盟店に付加価値の提供を目指すBASEの戦略について、原田健CFOに聞いた。

原田健(はらだ・けん)BASE取締役CFO。早稲田大学商学部卒業後、2000年より大手ゼネコンにて経理財務業務を担当。07年よりミクシィにジョインし、経理マネージャー、経営企画等の業務を担う。13年にフリークアウトに入社。経営管理マネージャーとして14年6月に東証マザーズへのIPOに貢献。IPO後も経理財務、経営企画、IR業務全般を統括・担当する。15年6月にBASEにCFOとして入社、16年2月に取締役。コーポレート業務全般を担当。

初期費用、月額費用「ゼロ」のビジネスモデル

 「BASEのビジネスモデルはシンプルです。個人や小規模事業者がネットショップを持ちたいと思った時に、初期費用や月額費用がかかることなく、すぐにネットショップが作れるサービスです。実際に売れたタイミングで、売上の6.6%と40円の手数料をいただきます。これがほぼ全てですね」

 CFOとして経理財務、法務、総務、人事などを統括している原田氏は、BASEのビジネスモデルを上記のように「シンプル」だと説明する。サービスの開始は2012年。当時のネットショップは楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなどのショッピングモールへの出店が中心で、初期費用や月額費用もかかり、参入するにはある程度の資本力が必要だった。 

 その参入のハードルを下げたのがBASEだ。無料でショップを立ち上げることができて、手数料も低い。加盟店の費用を思い切って下げている理由は、ターゲットを個人や小規模事業者に設定しているからだ。

 「サービスを立ち上げたのは、代表の鶴岡裕太が、大分県で小売店を営んでいる母親から『ネットショップを作ってみたいけど、どれも難しくてよく分からない』と言われたことがきっかけでした。当時は個人にフォーカスしたネットショップのプラットフォームはありませんでした。しかし、こうしたニーズは他にもきっとあり、誰でもネットショップを立ち上げる世の中が今後来るだろうと考えたのが、BASEの原点です」

 個人や小規模事業者向けにフォーカスした結果、ユニークな加盟店が集まった。ものづくりの作家など、オリジナリティーのある商品を販売する人たちに支持されている。ネットショップのサイトを自由にデザインできるほか、SNSを使った集客やマーケティングもできることから、事業者によってはショッピングモールに出店するよりも売りやすいという。

 創業当初の手数料は売上の3.6%+40円だった。ただ、機能の向上や提供するサービスを拡充していったこともあり、17年6月に6.6%+40円へと改定した。とはいえ、定額の手数料には違いない。

 「BASEは決済も提供しているところが他のサービスと違う点です。それに加えて、ネットショップを作る機能も提供しています。こうしたサービスの価値を、どのように手数料に乗せるのかは難しいところですね。40円を別にいただくのは、商品が売れた際の決済金額にかかる6.6%だけでは、金額の低い商品だと手数料がほとんど入らないためです。現時点では手数料の改定は予定していませんが、手数料に見合う価値を提供し続けることを意識してプロダクトを開発・提供しています」

ショップの開設数は5月に150万ショップを突破

リスクなしで資金調達ができる「YELL BANK」

 BASEでは加盟店向けに新たなサービスを拡充している。その一つが18年12月にスタートした金融サービスのYELL BANK。BASEを利用するネットショップオーナーが、リスクなく即時の資金調達ができるサービスだ。現在は一部の加盟店のみに提供している。

 サービスを利用するには、BASEで一定の利用実績があることが条件になる。機械学習などによって利用実績が分析され、自動的に3パターンの資金調達額が示される。加盟店は調達したい金額を選択して規約に同意すれば、すぐに調達が可能になる。

 この資金調達は、子会社のBASE BANKが将来の債権を事前に買い取ることで実現している。資金調達後は、商品が売れるたびに、売上代金から一定の支払率に応じた金額がYELL BANKに支払われる。売り上げがなかった月は、支払いは発生しない。回収期間も決まっていないという。YELL BANKの狙いを原田氏は次のように説明する。

 「BASEの加盟店は商売の規模が小さく、立ち上げてあまり時間が経(た)っていない人が多いので、まだ信用力がない場合が多いです。銀行からの融資など、既存の形で資金調達をするにはリスクもハードルも高くなります。この資金調達の課題を解決したいと考えて、YELL BANKを開発しました。

 ものづくりをされている方は、資金がなければ仕入れができません。在庫を売りさばかなければ、次の商品を仕入れられないケースもあります。加盟店の資金ニーズは一定程度あると思っています」

 しかし、実際に商品が売れない場合は、資金は回収できない。BASEがリスクを背負うことになるものの、原田氏は「リスクはそれほど問題ない」と言う。

 「BASEを利用しているショップの平均的な月商は15万円くらいです。ですから、資金調達額はそれほど大きな金額にはなりません。BASEを使い続けていただければ、どこかのタイミングで必ず回収できると考えています」

YELL BANKでBASE加盟店が資金調達する際のフロー
YELL BANKを利用した加盟店から資金回収する際のフロー

CAMPFIRE、noteと提携

 コロナ禍でサービスの需要が増し、売上を伸ばしたBASEは、20年10月に新株式発行により124億円の資金を調達した。その後は、他社との資本提携を進めている。

 そのうちの1社が、クラウドファンディング国内最大手のCAMPFIRE。20年11月に資本業務提携した。プロトタイプの開発とテストマーケティングをCAMPFIREで実施して、目標を達成した後にBASEでの販売ができるといった連携を進めている。BASEとしては、CAMPFIREとの提携も、加盟店の資金調達の実現を目的にしている。

 「YELL BANKはBASEの利用実績がないと使えませんが、CAMPFIREによる資金調達であれば、ゼロからネットショップを始めようと考えている人でも調達が可能です。より早いタイミングでの資金ニーズに応えることができます。

 また、BASEとCAMPFIREの利用者は、それぞれショップの属性や事業の規模が近いです。クラウドファンディングで試作品を使って、うまく人気が出てからBASEで定常的にショップを開く使い方ができれば、両サービスの利用者のためにもなると考えました」

 21年1月にはメディアプラットフォームを運営するnoteとの資本業務提携も発表。noteに掲載したコンテンツとBASEのショップを相互に行き来できる動線配置や、BASEの加盟店がネットショップの管理画面からnoteに記事を投稿できる機能の設置を進めている。

 「BASEを利用しているショップオーナーさんが、自分の商品に対する思いなどをnoteに書くことで、新しいお客さんにショップを知ってもらうことができます。もしくは、まだネットショップは持っていないけれども、noteで記事を書かれている方がEコマースを始めるときに、BASEを使ってネットショップを作る流れを作りたいと思っています」

YELL BANKの概要

丸井グループと協業 「SHIBUYA BASE」を出店

 他にも、上場前からBASEに出資している丸井グループと協業して、BASE加盟店が一等地の実店舗出店に挑戦できる「SHIBUYA BASE」を2018年6月に渋谷マルイに出店。出店料は15%の販売手数料のみで、固定費などは必要ない。什器(じゅうき)なども無料で利用することが可能で、出店を最小限のリスクでチャレンジできる。

 いずれもBASEの加盟店に対して付加価値を提供する取り組みだ。原田氏は「今後もこの方針は変わらない」と言う。

「SHIBUYA BASE」

 「BASEを使っていただいている方に付加価値をつけていくことが、まだまだ必要なフェーズです。資本業務提携はそのために進めているもので、この方針は変わらないですね。今までいろいろなハードルがあってできなかったことが、これからもっとできていく世の中になると思っています。私たちはネットショップを運営するハードルを下げていきたいと考えていますので、BASEのさまざまなサービスをうまく使っていただきたいですね」

YELL BANKのイメージ

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