
第7波とされる新型コロナウイルスの感染の急拡大。30分ほどで結果が出る抗原検査キットを販売する薬局では、在庫が確保しにくくなる中、グループ内の店舗で調整するなどして対応にあたっています。
またメーカーでは、再び増産の動きが進んでいます。
PCR検査と抗原定性検査の違い
○核酸検出検査(PCR検査)

鼻やのどの奥の粘液やだ液などに含まれるウイルスの遺伝子の一部を人工的に増幅させて検出する検査法です。このうちPCR検査は最も感度が高いとされていますが、遺伝子の増幅や検体処理の手順があるため結果がでるまでに1時間から3時間程度の時間がかかるとされています。
○抗原定性検査

「抗原検査キット」を使うことで専用の装置が必要なく、鼻やのどの奥などの粘膜を採取すれば、30分程度で結果がでます。
症状がある人が陽性になった場合などでは新型コロナの確定診断に使うことができますが、ウイルスの量が一定以上ないと検出感度は低くなるとされ、症状がない人には推奨されていません。
ただ、手軽に使えて自分でも検査が行えることから医療機関や介護施設などで感染拡大を防ぐために幅広く検査を行う際には有効な手段になり得るということです。
去年9月からは、国が一般の人向けの「医薬品」として承認した抗原検査キットは調剤薬局での販売が認められています。
抗原検査キット メーカーが増産
医療用の抗原検査キットのメーカーでは第6波の時よりもさらに多くの発注があり、7月上旬ごろから本格的な増産体制に入っています。

通常の平日日中の時間帯に加え、夜8時から早朝4時半まで操業しているほか、土曜日も工場を動かすことで、製造量は去年と比べ2倍以上に増やしています。
工場では従業員が検体を垂らす“テストプレート”の確認をしたり、完成したプレートを包装する作業にあたったりしていました。

この工場では現在、第6波並みの生産量を確保しているものの、人員は必要最低限だということで、さらに採用を強化し、供給を安定させたいとしています。
また、例年、お盆は1週間ほど休み、製造ラインの点検を行うということですが、ことしについては対策を検討しているということです。
抗原検査キットメーカー「タウンズ」野中雅貴社長
「第6波が落ち着いたあとも増産体制を継続し在庫を確保していたので、第7波が来てもフル稼働を続けることで安定して供給できている。皆様の役に立てるように全社一丸となって引き続き頑張りたい」
検査キット需要増で薬局では
新型コロナウイルスの感染の急拡大で検査の需要も大幅に増えています。抗原検査キットを販売する薬局では、在庫が確保しにくくなる中、グループ内の店舗で調整するなどして対応にあたっています。

東京・渋谷区の薬局では医療用の抗原検査キットを販売しているほか、東京都の指定で、PCR検査と抗原検査の無料検査も行っています。
薬局によりますと、感染の急拡大に伴って抗原検査キットを買い求める人が急増していて、今週は、2週間前のおよそ10倍にのぼっているということです。

この週末に実家に帰る予定があり、両親も高齢なので心配になり初めて検査キットを買いました。爆発的に感染者が増えているので、より一層、気をつけたいです。
また、無料検査のために訪れる人も増えていて、このうち抗原検査は、2週間前の4倍を超えているということです。

この店舗では22日時点で一般への販売と無料検査用あわせておよそ150回分のキットを確保していますが、メーカーが出荷量を調整しているため納品には遅れが出始めているということです。
このため、同じグループの4つの店舗の間で比較的在庫に余裕がある店舗から検査キットを郵送し対応しているということです。
「薬局恵比寿ファーマシー』管理薬剤師 篠原久仁子さん
「感染状況に応じて検査キットを回し合ってなんとか対応している状況です。必要としている人に確実に届けられるようにしたいです」
東京都 医療機関に抗原検査キット
感染の急激な拡大をうけて検査キットの不足に対応しようと東京都は、25日までに都内のおよそ1000の医療機関に、9万個あまりの抗原検査キットを送りました。都は、医療機関で検査キットが不足していることから、先週、都の在庫分を緊急で配布することを決め、調整を進めていました。

都によりますと、23日に都内の200の医療機関におよそ1万7000個のキットを送ったのに続いて、24日午前中までに追加で765か所におよそ7万3000個のキットを送ったということです。
都は、医療機関で検査キットが不足しないかなど、今後も状況を見ながら対応していきたいとしています。
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