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ビル管理士に必要な資格とは?4点セット+国家資格でキャリアアップを目指そう - 働き方を選ぶ - ミドルシニアマガジン - マイナビミドルシニア

ビル管理士とは

ビルメンテナンスの仕事は、必ずしも経験や資格などが必要になるわけではありません。しかし、キャリアアップを考えたときに取得した方が良い資格が「ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)」です。

ビル管理士(国家資格:建築物環境衛生管理技術者)とは

ビル管理士は「建築物環境衛生管理技術者」と呼ばれる国家資格の1つです。その仕事は建築物の環境や衛生を維持管理することです。

ビル管理士はそのビルの最高責任者となるため、さまざまな業務を行うことになります。実務として、主に以下のようなものがあります。

・建築物を維持管理するための計画立案
・その計画の実行及び指揮
・建築物の測定検査と、結果に対する評価
・検査結果に問題点があれば改善案を作成する
・その他、設備の点検など

管理というと修理や清掃もするイメージがありますが、そうではなくビル管理士は異常をチェックし対処するのが仕事なのです。

面積が3,000㎡(学校は8,000㎡)以上の建築物では、維持管理が適切に行われるよう、ビル管理士が担当する義務があります。面積が3,000㎡以上ある建築物は以下のようなものがあります。

・超高層ビル
・オフィス
・商業施設
・デパート
・劇場
・映画館
・美術館
・博物館
・ボーリング場
・旅館やホテル
・大学 など

ビル管理士になるメリットは?

ビル管理士は国家資格であるため、転職活動の際には非常に強力なのアピールポイントとなります。

また、ビル管理士の難易度は非常に高いため、取得していることで会社からの評価が上がるケースが多くあり、年収アップにも繋がります。
加えて会社によっては資格手当など、さまざまな恩恵を得ることも可能でしょう。

それだけでなく、他の資格講習を受講できるようにもなるため、さらなるキャリアアップも望めます。
このように、ビル管理士になるメリットは多くあります。資格取得は簡単にはいきませんが、それだけの価値はあるといえます。

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まずは「資格4点セット」を取得しよう

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未経験の方や経験の浅い方にとって、いきなりビル管理士になるのは難しく感じるでしょう。そこでビル管理士の国家資格を取得する前に、取得しておくと良いとされる4つの資格があります。

その4つの資格は、どれも「ビルメン業界では必要となる資格4点セット」といわれるほど有名な資格ばかりです。それではひとつずつ見ていきましょう。

第2種電気工事士

第2種電気工事士は国家資格の1つで、ビルや住宅、店舗、工場などで設備の電気工事を行うために必要となります。

主な役割は屋内における照明や配線をはじめ、エアコンの設置、コンセントの工事など、多岐にわたります。
資格試験は筆記と実技があり、年2回に渡り行われています。

参考:仕事に役立つ資格│第二種電気工事士〜需要や取得する魅力を紹介〜

危険物取扱者乙種4類

危険物取扱者乙種4類は通称「乙4」と呼ばれ、危険物を取り扱う仕事で必要な資格です。また、乙4を取得していることを採用の条件としている企業も多いため、需要が高く人気の資格でもあります。

乙4で取り扱うのは、ガソリンや灯油、軽油、重油など生活の身近なものも多くあり、試験内容は化学についての知識がない人でも、比較的取得しやすいというのも特徴の1つです。

参考:仕事に役立つ資格│危険物取扱者乙種4類〜需要や取得する魅力を紹介〜

2級ボイラー技士

こちらも需要のある資格の1つ。さまざまなところに設置したあるボイラーは、運用方法を間違えると爆発など、大きな事故を起こしてしまう危険性のある機器です。

そのボイラーを安全に運用及び管理をするために必要となる資格です。筆記試験に合格した後、実技講習を経て資格取得となります。

第三種冷凍機械責任者

第三種冷凍機械責任者は「高圧ガス製造保安責任者」という国家資格の中の1つです。この資格を取得することで機械の管理や点検、保守の他に、資格を保有していない人の監督もできるようにもなります。

冷凍と聞くと食品をイメージするかもしれませが、建築物における空調の機械も冷凍設備に該当します。
そのためビルメンの仕事に限らず、さまざまなところで需要がある資格といえます。

極め付きの、国家資格取得でキャリアアップ

お伝えしてきた「第2種電気工事士」「危険物取扱者乙種4類」「2級ボイラー技士」「第三種冷凍機械責任者」の4つの資格を取得したら、いよいよビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)の資格に挑戦してみましょう。

ここからは、ビル管理士の資格取得の方法について解説していきます。

資格取得方法その1:試験を受ける

資格取得にはまず試験を受ける必要がありますが、誰でも簡単に受けられるわけではありません。

試験を実施する「公共財団法人 日本建築衛生管理教育センター」において、以下のように定められています。

次の用途に供される建築物の当該用途部分において環境衛生上の維持管理に関する実務に業として2年以上従事された方(従事期間については、実務従事証明書の証明日現在で2年以上が必要です。)

■建築物の用途
ア)興行場(映画館、劇場等)、百貨店、集会場(公民館、結婚式場、市民ホール等)、図書館、博物館、美術館、
遊技場(ボーリング場等)
イ)店舗、事務所
ウ)学校(研修所を含む。)
エ)旅館、ホテル
オ)その他アからエまでの用途に類する用途
多数の者の使用、利用に供される用途であって、かつ、衛生的環境もアからエまでの用途におけるそれと類似しているとみられるものをいいます。

(例)
受験資格に該当する用途
共同住宅、保養所、寄宿舎、保育所、老人ホーム、病院等

受験資格に該当しない用途
もっぱら倉庫、駐車場、工場(浄水場、下水処理場、清掃工場、製造工場等)等の用途に供されるもの。その他特殊な環境(通信施設、発電所等)にあるもの。

要約すると、上記のア)~オ)に該当する建物において、維持管理の業務に2年以上従事している必要があるということです。
ただし、受験資格に該当しない建物もあるので覚えておきましょう。

続いて、具体的な業務内容について見ていきましょう。

1. 空気調和設備管理
2. 給水、給湯設備管理 (貯水槽の維持管理を含む。浄水場の維持管理業務を除く。)
3. 排水設備管理 (浄化槽の維持管理を含む。下水処理場の維持管理業務を除く。)
4. ボイラー設備管理
5. 電気設備管理 (電気事業の変電、配電等のみの業務を除く。)
6. 清掃及び廃棄物処理
7. ねずみ、昆虫等の防除

出典:国家試験情報 公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター

【試験日程】
試験は年に1度しか行われません。そのため間違いのないよう確認し、しっかりと準備をしておきましょう。

【受験料】
受験料は非課税で13,900円と、国家資格なだけあって高めに設定されてあります。

【試験科目】
試験科目は以下の7つになります。

・建築物衛生行政概論
・建築物の環境衛生
・空気環境の調整
・建築物の構造概論
・給水及び排水の管理
・清掃
・ねずみ、昆虫等の防除

試験の合格基準と合格率は?

ここからは、試験の合格基準と合格率について解説していきます。

科目 出題数 合格基準
建築物衛生行政概論 20 8点以上(40%以上)
建築物の環境衛生 25 10点以上(40%以上)
空気環境の調整 45 18点以上(40%以上)
建築物の構造概論 35 14点以上(40%以上)
給水及び排水の管理 15 6点以上(40%以上)
清掃 25 10点以上(40%以上)
ねずみ・昆虫等の防除 15 6点以上(40%以上)
合計 180 117点以上(65%以上)

出典:第51回(2021年度)建築物環境衛生管理技術者試験の合格基準及び正答一覧 公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター

試験科目は7つあり、それぞれすべてに正解率40%以上という合格基準が設けられています。そして合計で65%以上に満たなければ不合格になります。

また、合計で65%以上を満たしていたとしても40%未満の科目が1つでもある場合や、すべての科目が合格基準を満たしているが合計で65%以上に達していない場合においても不合格となるため注意が必要です。

【過去の合格率】
厚生労働省によると、過去の合格率は以下のようになっています。

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参考:厚生労働省 「第51回建築物環境衛生管理技術者試験」の合格発表

お伝えしてきたようにビル管理士は国家資格なため難易度は高く、合格率は低めとなっています。合格基準も厳しく設定されているので、注意しましょう。独学でも合格することは可能ですが、通信講座などを利用した方が効率的かつ正確に学習できるのでオススメです。

資格取得方法その2:講習会を受講する

ビル管理士の資格を取得する方法は試験を受けるだけではなく、実はもう1つ方法があります。それは「建築物環境衛生管理技術者の講習会」を受けるというもの。

こちらも試験と同様に誰でも受講できるというわけではなく、特定の条件を満たす人のみになります。また、試験を受ける際よりも厳しい条件を満たす必要があるため、ある意味試験よりも厳しいといえるでしょう。

【受講条件】
受講の条件は大きく以下の2つになります。

・学歴及び学校卒業後の実務経験の年数
・ビルメンの業務に関する免許取得及び免許取得後の実務経験の年数

詳しい定義については、以下のように細かく区分されています。

■学歴及び学校卒業後の実務経験の年数で受講する場合

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■ビルメンの業務に関する免許取得及び免許取得後の実務経験の年数で受講する場合

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参考:建築物環境衛生管理技術者講習会 受講資格一覧表 公共財団法人 日本建築衛生管理教育センター

【受講料】
受講料は非課税で108,800円と非常に高額となっています。この辺も含めて、試験よりもハードルが高いといえるかもしれません。

【内容と講習時間】
講習会内容と講習時間は以下のように定められています。

1. 建築物衛生行政概論 10時間
2. 建築物の構造概論 8時間
3. 建築物の環境衛生 13時間
4. 空気環境の調整 26時間
5. 給水及び排水の管理 20時間
6. 清掃 16時間
7. ねずみ、昆虫等の防除 8時間
合計 101時間

このように、講習時間は合計で101時間と非常に長くなっています。

ビル管理士は確実に転職したい人におすすめ

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お伝えしてきたようにビル管理士は、転職の際に有利になる資格です。加えて、キャリアアップや年収アップにも繋がる資格でもあります。

例えビル管理士の資格を取得できなかったとしても、ビルメン4点セットである「第2種電気工事士」「危険物取扱者乙種4類」「2級ボイラー技士」「第三種冷凍機械責任者」を取得するだけでも、転職時の強いアピールになりますので覚えておいてください。

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まとめ

今回はビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

資格を取得するための難易度は高く、費用もかかりますがその分、転職で有利になるのは間違いありません。
ぜひ1度、この機会にビル管理士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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