米国では、感謝祭、クリスマス、新年の帰省シーズンに向けて航空運賃が高騰している。米政府のデータによると、2022年10月の航空運賃は前年同月比で43%も上昇。一方、米国航空会社の今年第3四半期の利益は合計24億ドル(約3360億円)以上に達している。AP通信が報じている。
運賃高騰の理由は、旅客需要はパンデミック前のレベルにほぼ回復しているのに対して、航空会社は依然として2019年よりも運航便数を減らしているからだ。OTAホッパーのチーフエコノミストのホリー・バーグ氏は「航空便が少ない中で、帰省や休暇を求める人が増えれば2つのことが起きる。価格の上昇とフライトの売り切れだ」と話す。
例年、航空運賃とホテルの価格は、クリスマス休暇に向けて高くなるが、今年はその傾向が早めに出ている。
欧州では、ホテル価格の上昇とインフレの影響で、短期旅行の予約が増えている。比較検索サイト・トリバゴのアクセル・ヘファーCEOによると、「ホテルの価格はどこでも上がっている。例年と同じ予算で旅行したい場合は、1日削るしかない」と話す。ホテルの価格上昇には人手不足の側面もある。
米国の消費者は過去40年間で最高のインフレに直面しており、景気後退の可能性に対する懸念が高まってる。しかし、それは旅行数には反映されてない。米運輸保安局の10月の統計によると、空港の検問所を通過する旅行者の数は、2019年の交通量の95% 近くまで回復。旅行業界の関係者は、年末にかけての休暇ではパンデミック前のレベルを上回る可能性があると見ている。
旅行データ会社のシリウムによると、米国の航空会社は、2019年10月比で84%の米国便を運航しており、12月もはほぼ同じ割合の見込み。航空会社は座席数の多い大型機を運航することで、フライトの減少を部分的に相殺している。
ユナイテッド航空の最高コマーシャル責任者であるアンドリュー・ノセラ氏は、10月に行った同社の収支報告で、「ホリデーシーズンに向けて非常に好調であることは間違いない。予約は信じられないほど好調」と述べている。
各航空会社は、パイロットやその他の労働者を再雇用を進め、休暇の需要拡大に備えていることを明らかにしている。
旅行者は、旅費を抑えるために様々な手立てを考えているが、それでも航空運賃が高すぎるために、今年のクリスマスは旅行を諦めて、家族一緒に家で過ごす人も多いようだ。
※ドル円換算は1ドル140円でトラベルボイス編集部が算出
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