段ボール需要が伸び悩み始めた。全国段ボール工業組合連合会(東京・中央)によると、2022年の段ボール需要は前年比0.1%増の146.5億平方メートル。連合会が21年12月に発表した22年需要予測(前年比1.7%増の148.7億平方メートル)を下回った。食品や日用品の値上げなどで秋以降の荷動きが鈍ったことなどが響いたとの見方がある。
夏ごろまでは前年同月比でプラスの月が多く見られた。新型コロナウイルス感染対策の行動制限が解除され、荷動きは堅調に推移したためだ。通販市場の成長も需要を支える。
一方、10月以降は前年を下回った。日用品や食品などの値上げが相次いだことで「消費者の買い控えが見られ、足元でもそれらの分野に関連する段ボールの出荷が低迷している」(専門商社)。段ボールの材料である段ボール原紙が秋に値上げされたことも秋以降の段ボール出荷を抑えたようだ。
需要の伸び悩みは、原料となる古紙の調達も鈍らせているようだ。指標となる関東製紙原料直納商工組合(関東商組、東京・台東)の段ボール古紙の1月末在庫(32社分)は、前年同月末比36.6%増だった。段ボール原紙の輸出が減少したことも重なり、製紙会社が原紙の生産を調整するため古紙の調達を控えた影響が出た。
印刷用紙などの需要が減少傾向にあるなかで段ボール需要の拡大は製紙業界の支えのひとつとなっており、供給増加を念頭に置く製紙会社も少なくない。伸び悩みは今後の段ボール需給のバランスに影響する可能性もある。
(黒瀬幸葉)
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