※下記は自治体通信 Vol.51(2023年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
共働き世帯が増えていることもあり、放課後児童クラブ(以下、児童クラブ)の需要は高まってきている。そうしたなか、自治体に対してシステムの導入支援を行っている日本ソフトウェアマネジメントの吉田氏は、「需要が高まりつつあるいまこそ、児童クラブの徴収金をシステム管理する仕組みを構築しておくべき」と話す。その理由と具体的な解決法を、同社の松井氏も交えて聞いた。
日本ソフトウェアマネジメント株式会社
応用システム部 係長
吉田 有沙よしだ ありさ
平成23年、日本ソフトウェアマネジメント株式会社へ入社。給食費管理システムや教職員管理システムなどの開発業務を担当。令和5年から、『児童クラブマネージャ』の開発業務に携わる。
日本ソフトウェアマネジメント株式会社
製品企画
松井 瑞菜まつい みずな
平成9年、神奈川県生まれ。令和2年、日本ソフトウェアマネジメント株式会社に入社。給食費の管理システムを普及・拡大する業務に携わり、システム操作研修や保護者ポータルサイトなどの製品企画を担当している。
各児童の状況によって、徴収金額は異なる
―児童クラブの徴収金をシステム管理する仕組みを構築しておくべき理由はなんでしょう。
吉田 児童クラブを利用する各児童の家庭環境によって、保護者から受け取るべき月額の徴収金が変わるため、その管理が大変だからです。たとえば、保護者が生活保護や就学援助などを受給している場合、徴収金は免除もしくは減額の対象になります。また、兄や姉が先に通っている場合、弟や妹は割引の対象になります。さらに、児童クラブを時間延長して利用する場合は事前に申請しておく必要がありますが、利用時間によっても変動があるのです。
松井 児童クラブには公立公営、公立民営、民立民営の形態がありますが、その多くを占める公立公営、公立民営の徴収金管理をすべて教育委員会が担わなければなりません。限られた職員でそうした徴収金を管理して徴収金の月額を算出するのは大変で、今後さらにニーズが高まることを考えると、いまのうちにシステム管理を構築しておく必要があるのです。
―どのように準備すればいいでしょう。
吉田 児童クラブの徴収金に特化した管理システムを活用すればいいのです。たとえば、当社が自治体向けに提供している『児童クラブマネージャ』がまさにそうです。
各種制度の変更にも、対応できるように支援
―詳しく教えてください。
吉田 「生活保護、就学援助受給の有無」「兄弟・姉妹情報」「延長利用の有無」「徴収金未納の状況」といった各児童の個人情報を、データベースとして管理ができます。その情報に従って、保護者への徴収月額を自動で算出し、請求データを作成できるのです。そのため、たとえば世帯が生活保護の受給対象ではなくなった場合でも、即座に徴収額の修正ができますし、アナログ管理による徴収金請求の人為的ミスも防げます。
また当社では、『児童クラブマネージャ』をさらに有効活用できる提案を行っています。
―どのような提案でしょう。
松井 保護者とのやりとりに利用できる、「保護者ポータルサイト」と連携した活用です。これを使えば、教育委員会は徴収金が未納の保護者に対して督促の連絡ができますし、保護者は徴収状況の確認ができます。また保護者は、子どもに当日の出欠変更がある場合、「保護者ポータルサイト」を通じて児童クラブの指導員に連絡できます。ちなみに現在開発中ですが、児童の入退室管理システムと連動させることで、保護者は児童が入室・退室したかをリアルタイムに把握することが可能になります。
―自治体に対する今後の支援方針を教えてください。
松井 『児童クラブマネージャ』を普及させることで、教育委員会の職員にかかる業務負担の軽減につながればと考えています。なお、放課後こども教室の管理についても同様に行うことができます。
吉田 児童クラブの事業は、厚生労働省から今年4月に新設された「こども家庭庁」に移管されました。そのこともあり、たとえば保護者がテレワークをしている世帯は児童クラブの利用が難しかったのが、今後は緩和される可能性があるなど、さまざまな制度変更が予測されます。そうした各種制度の変更にも、スムーズに対応していきたいですね。興味がある自治体のみなさんは、まずは気軽にお問い合わせください。
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