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アングル:中国、今年は銀行の純利ざや改善か 資金需要上向き期待で - ロイター (Reuters Japan)

[北京 13日 ロイター] - 中国では今年、新型コロナウイルスの感染問題に起因する景気減速からの回復に伴って、企業と家計双方の資金需要が上向くと期待されている。そのため銀行にとっては、純利ざや縮小圧力が和らぎそうだ。アナリストや銀行関係者はこうした見方をしている。

 2月13日、中国では今年、新型コロナウイルスの感染問題に起因する景気減速からの回復に伴って、企業と家計双方の資金需要が上向くと期待されている。写真は2017年撮影(2023年 ロイター/Thomas White)

銀行の収益性を判断する重要な指標の1つである純利ざや(貸出金利と預金金利の差)は過去数年間ずっと圧迫され続けてきた。感染対策として多くの地域でロックダウン(都市封鎖)が実施され、不動産市場の冷え込みも重なって企業と家計が先行きに自信を失い、借り入れ意欲が低下したためだ。

しかし中国政府が昨年12月、感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を撤廃したことを受け、銀行関係者は企業向け融資の力強い持ち直しに加え、今後数カ月で消費回復を引き金とする家計の借り入れ需要の復活もあると見込んでいる。

これは中国の銀行の純利ざやと収益にプラスの効果をもたらすのは間違いない。リフィニティブのデータに基づくと、中国5大銀行の純利ざやは昨年最大で29ベーシスポイント(bp)も下がったが、今年は1─5bpの低下にとどまる見通し。

5大銀行の今年の純利益も伸びが加速するか安定すると予想される。例えば交通銀行の増益率は昨年の4.75%から7.21%に高まるとみられる。

光大証券の銀行アナリスト、ワン・イフェン氏は、政府の財政政策が実行され、企業活動が徐々に上向くとともに、銀行セクターの純利ざやは今年後半に持ち直すと述べ、景気回復局面では地方銀行が長期的には貸出金利の引き上げが可能となるので、それも純利ざや拡大につながると付け加えた。

ワン氏は「与信の伸びは経済の緩やかな回復過程を通じて続いていく。経済を安定化させる政策が効果を発揮するのと歩調を合わせて、銀行セクターはよりしっかりとした利益を確保できるとの期待が持てる」と主張する。

10日に公表されたデータによると、1月の新規銀行融資額は昨年12月の3倍以上に膨らみ、予想も上回った。INGの広域中華圏エコノミスト、アイリス・パン氏はリポートに、1月の融資データは昨年と比べて銀行借り入れが資金調達の「主要チャネル」となり、クレジット市場よりも割安な手段となっている様子がうかがえると記した。

<強気の融資目標設定>

3月には中国銀行や農業銀行といった最大手行の昨年決算が発表される予定で、その場で与信の伸びについてどのような発言があるかが投資家の注目を集めるだろう。

ロイターがまとめた5人のアナリストの今年全体の新規銀行融資額の予想は22兆3000億元(3兆2900億ドル)から23兆元で、昨年の21兆3000億元よりも増えそうだ。

複数の銀行関係者に聞くと、今年は消費の大幅増が想定されるため家計の借り入れ、特に住宅ローンの需要が戻ってくると見込まれている。一部の銀行はリテール貸し出しの目標を引き上げつつあり、実際さまざまな都市の新築住宅販売が急増している気配が出てきている。

広東省の平安銀行のある支店幹部は昨年、自分たちのチームは年間3000万元に設定していたリテール融資の目標は6割しか実現できなかったと明かした。ところが今年は、この目標自体が10%引き上げられた。

この幹部は「新目標は達成できるだろう。企業活動は持ち直し、人々は消費に対してより積極的になっているのだから」と自信を見せる。

(Ziyi Tang記者、Ryan Woo記者)

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