伊藤秀樹
大手商社の丸紅が、2025年の商用運航をめざしている「空飛ぶクルマ」について、和歌山県那智勝浦町に離着陸場を設けることを検討している。今年度、大阪ヘリポート(大阪市此花区)―那智勝浦町間でモニターツアーを実施し、需要があることを確認できたという。
丸紅は、25年の大阪・関西万博で空飛ぶクルマの運航をめざす事業者の候補に選ばれている。同社は、万博とは別に、関西地域において複数ルートでの運航を検討している。観光目的から始め、医療や災害などへの活用も視野に入れる。詳細なルートは運航コストなどを精査して決める。
モニターツアーは、大阪府の補助金を受けた実証実験事業として、丸紅や建設コンサルタント「長大」、南海電鉄などが共同で実施した。使用予定の英バーティカル・エアロスペースの機体が完成していないためヘリコプターを代用。昨年12月から今年1月にかけて、応募者19組38人を運んで、大阪ヘリポートと那智勝浦町の離島・中ノ島にある宿泊施設を往復した。
参加者へのアンケートで「金額がいくらだったら搭乗するか」と質問した。回答の平均金額は片道2万9730円で、想定運賃の2万円を上回った。ヘリによる移動時間は約50分だが、空飛ぶクルマなら30分程度。移動時間などを理由に参加者の9割以上が「満足」と答えたという。
丸紅は、交通が不便な地域への導入を考えている。同社の広報担当者は「思っていたより需要があるという印象を受けた。このルートは、一つの可能性がある」と話した。実証実験の結果は町にも伝えている。
那智勝浦町の堀順一郎町長は取材に「丸紅からは実証実験の結果がとても良く、事業化したいと説明を受けた。協力できることがあれば協力したい」と話した。(伊藤秀樹)
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