ＡＭＡＴが反落 ニーダムＡＩ需要は短期で大きく寄与せず米 ... - QUICK Money World

【ＮＱＮニューヨーク＝矢内純一、横内理恵】

■ＡＭＡＴが反落　ニーダム「ＡＩ需要は短期で大きく寄与せず」
14日の米株式市場で半導体製造装置のアプライドマテリアルズ（ＡＭＡＴ、AMAT）が３営業日ぶりに反落し、一時前日比2.5％安の138.23ﾄﾞﾙを付けた。人工知能（ＡＩ）向けの需要拡大期待で半導体関連株が上昇するなか、ニーダムは「ＡＩ需要の急増が短期的に（装置需要に）大きく寄与するとは考えていない」とし、一部の半導体関連株の投資判断を引き下げた。ＡＭＡＴは「買い」から「中立」に下げた。

　担当アナリストはウエハーに回路を形成する「前工程」製造装置（ＷＦＥ）市場が2026年に1100億ﾄﾞﾙに達するとの予想のもと、各銘柄の評価を見直した。分析の結果、ＡＭＡＴのほか、ＫＬＡ（@KLAC/U）、オントゥーイノベーション（@ONTO/U）など計６銘柄について「今後12カ月間の株価上昇余地が10％以下にとどまる」として投資判断を「中立」に引き下げた。

　エヌビディアのＡＩ向け半導体需要拡大の影響については、「今後１年間で台湾積体電路製造（ＴＳＭＣ）のウエハー需要を月数千枚程度押し上げるにとどまる」と指摘。マクロ経済が厳しいため、企業の設備投資の予算制約からＡＩ向けの需要が他の製品の需要を奪う可能性にも言及した。

■ＡＭＤが反発　生成ＡＩ向け半導体の投入に高評価
14日の米株式市場で半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス（AMD）が反発し、一時は前日比2.6％高の127.72ﾄﾞﾙを付けた。13日に生成ＡＩ（人工知能）向けの半導体を2023年後半に投入することを発表した。アナリストからは前向きな評価が出ており、買いが優勢となった。

　ＡＭＤが新たに発売するのは、画像処理半導体「ＭＩ300Ｘ」。価格を明らかにしなかったが、生成ＡＩ向け半導体で高いシェアを握る同業のエヌビディアの主力製品よりメモリー容量が大きいという。ＡＭＤのリサ・スー最高経営責任者（ＣＥＯ）は「ＡＩ向けにデータセンターの処理を高速化する半導体の市場規模は足元の300億ﾄﾞﾙから27年には1500億ﾄﾞﾙ以上に成長する」との見方を示した。

　米国みずほ証券は24年12月期の売上高について「保守的に見積もってもＡＩ関連製品が11億ﾄﾞﾙほど押し上げる」と指摘。ＡＭＤの目標株価を90ﾄﾞﾙから140ﾄﾞﾙに引き上げた。キーバンク・キャピタル・マーケッツは「ＡＭＤは生成ＡＩの主要な受益者であり、シェアを獲得できる立場にある」として、「買い」の投資判断を改めて表明した。

　ロイター通信は14日までに「アマゾン・ドット・コム傘下のクラウドサービス、アマゾン・ウェブ・サービス（ＡＷＳ）はＡＭＤのＡＩ向け新製品を利用することを検討している」と伝えた。最終決定はしていないというが、今後大手ハイテク企業の採用が増えれば、ＡＭＤの収益に寄与するとの見方につながった。

■医療機器が高い　インテュイティブサージカル４％高、手術件数回復期待で
14日の米株式市場で医療機器関連銘柄が上昇し、手術機器のインテュイティブサージカル（ISRG）が一時、前日比3.8％高の327.42ﾄﾞﾙを付けた。同業のボストン・サイエンティフィック（BSX）やメドトロニック（MDT）、ストライカー（SYK）なども上昇した。新型コロナウイルス禍からの経済正常化が進み、高齢者の手術件数が回復するとの期待が強まった。

　医療保険最大手のユナイテッドヘルス・グループの経営陣が13日の投資家向け説明会で経済正常化を背景に「高齢者が膝や股関節の手術など、これまで先送りにしていた医療サービスをより利用しやすくなっている」と述べた。膝や股関節、心臓手術などで「ペントアップ（先送り）需要がある」との見方も示した。

　手術機器のなかでは整形外科向けの人工関節や手術支援ロボットに強みを持つストライカーが一時6.5％上げた。インテュイティブは内視鏡手術などの支援ロボット「ダビンチ」で知られ、メドトロニックも内視鏡手術などの支援機器を手掛ける。ボストン・サイエンティフィックは心臓関連の機器を主力とする。

　一方、保険支払いが増える見通しからユナイテッドヘルス（UNH）は一時９％下落。同業のヒューマナ（HUM）も急落した。ドラッグストア運営に加えて医療保険事業も手掛けるヘルスケア大手のＣＶＳヘルス（CVS）も大幅安となっている。

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