9日の債券相場は上昇し、長期金利は約3週間ぶりの低水準を付けた。米国の長期金利低下を受けて買いが先行する中、30年国債入札が順調な結果となり安心感が広がった。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、30年債入札について「金利水準が下がったので不安もあったが良い結果だった。今の水準で一定の需要があることが示されたため、相場全体の買い手掛かりになっていく可能性がある」と話した。
30年入札結果では、最低落札価格が100円95銭と市場予想(100円90銭)を上回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.6倍と2022年1月以来の高水準。小さいほど好調な入札を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は20銭と前回の50銭から縮小した。
日本債券: 30年利付国債の過去の入札結果 (表)
新発10年債利回りは1.5ベーシスポイント(bp)低い0.83%と10月20日以来の低水準、新発20年債利回りは1.54%、新発30年債利回りは一時1.71%と、ともに10月16日以来の水準まで下げた。
新発国債利回り(午後3時時点)
先物 | 2年債 | 5年債 | 10年債 | 20年債 | 30年債 | 40年債 | |
144円76銭 | 0.105% | 0.400% | 0.830% | 1.540% | 1.715% | 不成立 | |
前日比 | 9銭高 | -1.0bp | -1.0bp | -1.5bp | -4.0bp | -5.0bp | ー |
先物中心限月12月物は、30年債入札結果の発表後に午前に付けたこの日の高値144円89銭に並んだが、取引終了にかけて上げ幅を縮めた。
岡三証券の長谷川直也債券シニアストラテジストは「日本銀行の政策修正の動きは止まらないだろうし、米長期金利の先行きも不透明感があるため、国内金利がだらだらと下がっていくことはないだろう」と指摘。「国債への需要が高まり金利が低下すれば日銀のオペ減額も意識され、買いが入りづらくなる」との見方を示した。
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