任天堂が7日に発表する7-9月期(第2四半期)決算は、発売7年目でも一定の需要がある「スイッチ」の販売動向や、今期(2024年3月期)の業績修正の有無に注目が集まる。決算は午後3時半に開示される。
ブルームバーグが集計したアナリスト12人による7-9月期の営業利益予想平均は916億円と、前年同期比で約2割減。4月公開の映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」や5月発売の「ゼルダの伝説」シリーズ最新作などの目玉もなかった。
一方、足元では人気キャラクター「マリオ」をモチーフにしたスイッチ特別仕様版や「スーパーマリオブラザーズ・ワンダー」の販売が好調なほか、「スーパーマリオRPG」の発売を控えるなど年末商戦に向けた準備が進む。
今期の営業利益計画は前期比11%減の4500億円、スイッチの販売計画はハードが17%減の1500万台、ソフトは16%減の1億8000万本としている。市場予想はそれぞれ5294億円、1558万台、2億59万本と会社計画を上回っており、市場は保守的な会社計画を上回る実績を期待する。
今期の想定為替レートは1ドル=130円、1ユーロ=135円。
アナリスト解説
米国モーニングスターの伊藤和典ディレクター
- 7-9月期の営業利益は1000億円を超える程度、スイッチハードの出荷台数は250万台程度、ソフトが4200万ー4500万本とみている
- ハードは映画や「ゼルダの伝説」シリーズ最新作効果で例外的に販売を伸ばした4-6月期の反動減などで、減少トレンドは避けられない。買い替えは増えているが新規購入が大きく増えるとは思わない
- ソフトは10-12月期に向けて「スーパーマリオブラザーズ・ワンダー」と「スーパーマリオRPG」といった目玉タイトルが控えており、7-9月期は端境期にある
- スイッチはライフサイクルの終盤に向かってはいるが、減速ペースはこれまでのハードと比べて緩やかである。その結果、今年度は会社計画を上回る販売数と営業利益で推移するだろう
UBS証券の福山健司アナリスト
- 7-9月期の営業利益は1011億円、スイッチの出荷はハードで300万台、ソフトは4200万本程度と見込んでいる
- ハード販売は日本だけ好調だが、海外ではそれほどでもなかった
- 日本での価格はドルベースでみると安く、インバウンドや越境ECが少し需要を押し上げている側面も
- 映画効果は、夏休みの興行収入やオンライン配信などのライセンス収入が入ってくるため、7-9月期でも100億円程度の利益が見込めるのではないか
- 会社計画の達成ハードルは低いが、年末商戦前の7-9月期の段階での上方修正はないとみている
- 投資家は会社の営業利益計画4500億円は上振れて当然だとみている。逆に好決算期待は株価にはすでに織り込まれており、株価上昇は期待しにくい
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