米財務省短期証券(TB)の過去1年の発行急増を巡り、資金調達市場の混乱を回避できる十分な需要があるかという議論が起きている。
米財務省は2023年初めからTBを2兆2300億ドル(約354兆円)相当発行。今のところ市場は順調に消化していると見受けられる。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)のような他のリスクフリーレートとの比較でTBのプライシングが比較的安定していることからも読み取れる。
だが今後の米利下げと量的引き締め(QT)として知られるバランスシート圧縮が資金調達市場に緊張をもたらす懸念が存在する。そうした圧力は、米金融当局が介入を余儀なくされた4年前の混乱に似たものになりかねないと心配する向きもある。
アポロ・グローバル・マネジメントのチーフエコノミスト、トルステン・スロック氏によれば、米金融当局が恐らく9月に利下げ開始に動けば、マネー・マーケット・ファンド(MMF)などからの需要が後退し、短期金利に上昇圧力がかかる恐れがある。
「米当局がQTを進めている時にTB発行残高が膨らめば、資金調達市場で事故が発生するリスクが高まる。それは19年9月のレポ市場で見られた状況だ」と同氏は先週のリポートで警告した。
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