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長年細々と続く「BeagleBone Black」、ラズパイの代替になるのか - ITpro

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 世界的な半導体不足や20年ぶりといわれる円安などの逆風もあって、IoTには欠かせないRaspberry Pi(通称:ラズパイ)の販売価格が高騰しているのはご存じの通りだ。Amazonなどの販売サイトでは、Raspberry Piに飢えているエンジニアの足元を見るかのように、在庫ありの場合2万円近い値付けや、絶対に要らないような付属品をつけてさらに高値で販売されている。

 しかし、Wi-FiやBluetoothが必要な場合は技適の問題もあり、日本で入手可能な他の製品の選択肢は非常に限られる。まったく話題に上がらないシングルボードコンピューターも視野に入れないといけない状況だ。

 定価ベースではRaspberry Piの安さにまったく太刀打ちできず、かといって販売終了になるわけでもなく、長年細々と販売され続けている製品がある。それでも入手困難には変わりはないのだが、私たちにとって選択肢は多いほうがよい。今回取り上げるのは、そんなシングルボードコンピューターの1つであるBeagleBone Black Wirelessだ。製品の概要、スペック、そしてセットアップ手順を紹介しよう。

BeagleBone Black Wireless本体

BeagleBone Black Wireless本体

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BeagleBone Blackとは何か

 BeagleBone Blackは、半導体メーカーである米国のテキサス・インスツルメンツが開発したシングルボードコンピューターの製品名だ。初代Raspberry Pi Model Bが販売開始されたのは2012年のことだ。BeagleBone Blackはその翌年の2013年に45米ドルで販売開始された。Raspberry Pi Model BとCPUやメモリーのスペックはほとんど同じだが、SDカード起動のRaspberry Piとは異なりBeagleBone Black はeMMCを搭載していたため、10ドルの価格差は大きなデメリットにはならなかった。

 当時、BeagleBone Blackはシングルボードコンピューターの分野ではRaspberry Piに次いで話題になった製品だったと記憶している。個人的には、マスコットキャラであるビーグル犬のイラストが印象的だった。

BeagleBone Black Wirelessの箱(表)

BeagleBone Black Wirelessの箱(表)

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 その後、Raspberry Piはどんどんスペックを上げていった。一方、BeagleBone Blackは細かい点では改良が加えられているのかもしれないが、ここ10年近く基本的なスペックは変わっていない。今回取り上げるBeagleBone Black Wirelessは2016年ごろに発売が開始されているのだが、素のBeagleBone Blackと基本スペックは同じだ。

 BeagleBone Blackの特徴をもう1つ上げるとしたら、米国製という点だろうか。近年は政治的な事情もあり中国製の製品をビジネスで使いにくい場合もあるだろう。そういったリスクを回避するという意味でも、米国製という特徴はより一層メリットとして働くかもしれない。ちなみに、箱の裏にはデカデカと国旗付きでMade in USAと印字されている。

BeagleBone Black Wirelessの箱(裏)

BeagleBone Black Wirelessの箱(裏)

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 本体のサイズはRaspberry Pi 4 Model Bとほとんど同じだ。次の写真は左から順にBeagleBone Black、BeagleBone Black Wireless、Raspberry Pi 4 Model Bだ。

本体のサイズ比較

本体のサイズ比較

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 筆者はBeagleBone Black WirelessをPhysical Computing Labで入手した。2022年6月現在、税込み1万6280円で販売されている。実はRaspberry Piと同様にBeagleBone Black Wirelessも入手困難だ。海外のオンラインショップも含め、BeagleBone Black Wirelessの在庫は見つからない。もしかしたら、この記事が公開される頃にはPhysical Computing Labですら在庫切れになっているかもしれない。

 もしBeagleBone Black Wirelessが入手できない状況でどうしても米国製にこだわるなら、素のBeagleBone Black(Wirelessが付かないモデル)を購入し、ネットワークに関してはUSBドングルを使うことを視野に入れるのもよいだろう。ただし、素のBeagleBone Blackですら、国内のオンラインショップではすでに在庫がないようだ。さらにRaspberry Piと同様に、Amazonなどのショップではかなり割高で販売されている。海外のオンラインショップから直接購入したほうが安いかもしれない。

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