
新型コロナウイルス禍からの経済回復やロシアによるウクライナ侵攻で世界的に木材の供給が減る中、道産材の需要が伸びている。高騰する輸入材と比べて価格が比較的安定しており、住宅メーカーが使用する木材を輸入材から道産材などの国産材に切り替えているためだ。地産地消も追い風となり、道内の製材業者は工場の新設など能力増強を急いでいる。
士別市の製材会社、三津橋産業は本社敷地内で新工場を建設している。道産トドマツの建築材を作るのに、10月から木材の切れ端など短い部材を接着剤でつなぎ合わせて長板にする工法を新たに取り入れ、道外住宅メーカーに納める。投資額は6億円。生産能力は3割ほど増える見通しだ。
木材価格の高騰は、米国での住宅需要増などを端緒にしたウッドショックや、ウクライナ情勢を巡りロシアが日本や欧米への単板輸出を禁止したことが背景にある。三津橋央(ひさし)社長は「地産地消もあって、輸入材から国産材に切り替える動きが住宅メーカーの間で強まっている」と説明する。
林野庁や道によると、6月の製材輸入平均単価(1立方メートル当たり)は8万2千円で、前年同月に比べ約3万円上昇した。中でも欧州産は8割高と跳ね上がっている。道産材も値上がりしているが、輸送コストなどが割安なため、1~2割増にとどまる。
道産材の需要増に対応するため、カラマツ製材のサトウ(帯広)は建築材や荷物を運ぶための木製パレット材を作る工場を新設し、来春に稼働する。松永秀司社長は「カラマツの原木不足でより太い原木を使わなければならなくなってきた」と話す。新工場は、加工が難しく歩留まりの悪かった直径40センチを超える大径木に対応できるようにし、生産能力を引き上げる。
道内の6月のカラマツの原木在庫量は前年同月より約2割少ない14万900立方メートル。道林業木材課は「輸入材の代替として原木需要は旺盛。原木不足は今後も続く」とみる。
十勝広域森林組合(十勝管内芽室町)も、大径木を活用した新工場の建設を同管内池田町で進める。梱包(こんぽう)材やパレット材が主力だったが、来年2月稼働予定の新工場では、より単価の高い住宅用原板などの製品加工に取り組む。製材工程の一部を自動化し、人手不足にも対応する。
一方で、米国の金融引き締めで住宅ローン金利が上昇し、輸入材の高騰の一因だった米住宅市場は急速に冷え込んでいる。業界内では、輸入材の価格が下落すれば道産材の需要が落ち込むのではと不安視する声も出ている。
北海道木材産業協同組合連合会の内田敏博副会長は「輸入材に依存することのリスクが顕在化され、道産材の引き合いが強い状況は今後も続く」と分析。その上で「道内の住宅建築で使われる木材のうち道産材はまだ2割。魅力を広く消費者に発信するなど、業界を挙げて活用の機運を高めていく必要がある」と話す。(今井潤)
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