
熊本県内で半導体関連企業の進出や設備増強が続いている。世界的な半導体需要の高まりに、台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出が加わり、設備投資意欲が一気に高まっているためだ。進出に意欲を示す企業はなお数十社あるとの見方があり、県内への企業集積がさらなる集積を生む好循環が生まれている。
「半導体需要は波があるが、長期的に伸びていく」。半導体製造装置向けプラスチック部品の切削や組み立てを手がける藤興機(八代市)の藤森寛光社長は話す。同社は約7億円を投じ、本社近くに新工場を建設中。来春の稼働を目指しており、今後5年間で生産量を倍増させる計画だ。
同社の主な取引先は県内に拠点を置く装置メーカー。2020年末から需要が増え始め、21年は売上高が前年比約1・8倍に増えたという。
めっき処理を手がけるオジックテクノロジーズ(熊本市)は、合志工場(合志市)に半導体製造装置部品向けのアルミニウム処理ラインを増設し、今月から本格稼働した。投資額は約3億円で、処理能力は従来から倍増。金森秀一社長は「世界的な半導体不足で製造装置需要も増えており、増設を決めた」。
菊陽町でTSMCの新工場建設が始まって4カ月。周辺地域への投資が加速しており、7月には排ガス処理装置メーカーのカンケンテクノ(京都府)が玉名市に、電線やケーブル加工品を製造する第一電材エレクトロニクス(秋田県)が山鹿市に、それぞれ九州初の工場を建設すると発表。いずれもTSMCと取引があり、「顧客に近い場所で製造やメンテナンスを担う」とカンケンテクノの今村啓志社長は狙いを語る。
半導体製造装置に使うガス・液体の流量制御機器を生産する堀場エステック(京都市)も、TSMCは重要な顧客。世界的な需要増を背景に、阿蘇工場(西原村)の生産設備を増強し今月、稼働を始めた。
TSMCの新工場を建設・運営する子会社「JASM」(熊本市)はウエハーや研磨剤、感光剤といった材料について24年の生産開始時点から、購入金額ベースで50%以上の国内調達を目指すとしている。そうした素材関連の企業が今後、進出する可能性もある。
県企業立地課によると、22年度の半導体関連誘致企業の立地件数(7月末時点)は、前年同期比4件増の6件。同課は「本年度は、過去最高だった前年度の22件並みを目指したい」としており、旺盛な需要に応えるため益城町の「臨空テクノパーク」1区画(約12・1ヘクタール)を4分割して分譲することを決め、新たな工業団地を菊池、合志両市の2カ所(各24ヘクタール)に整備予定だ。
こうした機運をビジネスチャンスにつなげようと、民間による工場用地の開発計画も増えている。肥後銀行地域産業支援室によると、準備段階を含めた予定面積は、8月上旬時点で菊池市や大津町などで計約150ヘクタール。既に県内進出を公表している企業や台湾の企業を含め、半導体関連の30社超が新増設を検討しているという
地方経済総合研究所の漆嶋秀郎主任研究員は「半導体産業は今後も中長期的な拡大が予測される。TSMCの進出もあり、県内の関連企業は、従来よりスピード感のある経営や対応が求められる」と指摘する。(山本文子)
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