城取フードサービス研究所 城取博幸
10月は行楽シーズンを迎え、紅葉狩り、リンゴ狩り、キノコ狩り、柿狩り、芋堀りなどに出かける機会も増える。大きなイベントは31日(月)の「ハロウィーン」となる。
昨年の家計消費のデータで、10月に需要が伸び、前年も上回ったゴールデンカテゴリーは卵、大根漬け、白菜漬け、ケーキ、プリン、他の洋生菓子、冷凍食品、ギョーザ、他の主食的食品(スナック)。
需要は変わらないが前年を上回ったカテゴリーは昆布つくだ煮、調理パン、ヨーグルト、乳酸菌飲料、乳飲料。
需要は高いが、前年を下回ったカテゴリーは食パン、他のパン、揚げかまぼこ、ちくわ、牛乳、バター、揚げ、がんも、こんにゃく、マーガリン。
需要が減ったが、前年を上回ったカテゴリーは梅干し、ゼリー、アイスクリーム、コーヒー飲料。
需要が減り、前年も下回ったカテゴリーはうどん、そば、中華麺、かまぼこ、魚介つくだ煮、チーズ、豆腐、納豆、他の漬物、他の和生菓子、シューマイ、野菜、果実飲料、他の飲料。
揚げ、がんも
揚げ、がんもの需要は12月まで高まる。昨年は若干需要は下がったが、売り方次第で前年クリアは可能だ。肉の代替として大豆製品が注目されているため、和食だけでなくカレー、ガパオライス、シチュー、グラタンなどエスニック料理、洋食を提案したい。
売場づくり
豆腐、油揚げ、がんも、厚揚げなどの「伝統食品売場」の隣に、「フードテック食品」である「大豆ミート(ウエットタイプ、味付けタイプ)」売場を3~6尺確保し「プラントベース売場」を新設する。
家計調査の月別消費支出をグラフ化したもの。平均単価×購入数量=支出金額購入数量は1g~1kgと幅があるため小数点を変更して計算する必要もある。前年に比「支出金額」「平均単価」「購入数量」が伸びた場合は「赤字」の「○」。前年に比べて数字が下がったものは「黒字」の「×」で表記した。
大根漬け
昨年は夏から秋にかけて白菜漬け、大根漬けの需要が高まった。大根漬けは12月に次ぐ2番目の需要高であるゴールデンカテゴリーだ。漬物シーズンを迎えるがおいしく漬かるのはまだ先であるため、梅干しと同じように漬ける時期に拡販したい。
売場づくり
大根漬けは種類が多い。今週は「調味浅漬け、しょうゆ、みそ、ぬか、糖絞り、薫製、キムチなどの商品を集め「大根漬け祭り」を実施する。冷蔵商品は冷蔵平ケース、常温保存商品は平台を使って一本物とハーフサイズを品揃えする。漬物樽を準備して売場演出を行うとよい。
ギョーザ(冷蔵、冷凍)
昨年は10月が一番需要高であった。冷凍ギョーザは好調であるが、焼きギョーザが主で料理用途はあまり広がっていない。今月の育成商品は中華点心のエビギョーザ、カニギョーザ、フカヒギョーザなど海鮮類を使った蒸しギョーザを訴求したい。
売場づくり
冷蔵ギョーザは「料理の五法」に基づき、「焼きギョーザ」「蒸しギョーザ」「水ギョーザ」「スープギョーザ」「鍋ギョーザ」「揚げギョーザ」と幅広く品揃えしたい。冷凍ギョーザは有名店シリーズ、地元ギョーザ店の品揃えをする。冷凍であるため大型パックや箱入りも販売する。
冷凍食品
冷凍食品は10月が売り時。10月に需要が伸び前年も2桁伸びたゴールデンカテゴリーだ。「秋の行楽弁当」「ホットメニュー」「収穫の秋」がテーマになる。サツマ芋、里芋、ジャガ芋、ホウレンソウなどの秋野菜の訴求を行う。冷凍食品売場も季節感を出した販促を組みたい。
売場づくり
野菜と肉、魚がセットになった「ミールキット」の他に、今年は「鍋セット」「おでんセット」「麺セット」などセットメニューを育成したい。ピザもクラスト、ピザソース、チーズ、トッピング具材を小袋でセットしたミールキットもあってもよい。
マーガリン
昨年は気温が高かったせいか乳製品の動きが悪かった。バター、マーガリン、チーズなど総崩れであった。今年は気温次第でどう振れるか分からないが、8月、9月が好調であっただけに力を入れて販売したい。
売場づくり
10月から食品は値上げラッシュが続くため消費者は価格に敏感になる。乳製品に比べマーガリンは価格が安いため、バターの代わりにマーガリンを売り込みたい。プラントベースブームもあるため、「オーガニック」「紅花」「オリーブ」「豆乳」「バター風味」「ホテルマーガリン」などアイテムを広げて販売する。
プリン
「プリンは冬に売れて夏に落ち込む」と言うのは昔の話。昨年10月は5月に次ぐ需要高であった。プリンに限らず洋生菓子は秋によく動くため売り逃しがないようにしたい。11月から3月までは需要が急に落ちるため注意したい。
売場づくり
焼きプリン、ミルクプリンの他に、今年はカボチャ、サツマ芋、コーンなどの野菜プリンを販売したい。またフランスの「クレーム・ランヴァルセ」やイタリアの「クレマ・カタラーナ」などをフレッシュデザート売場で販売したい。売場を変えて高級プリンを販売する。
他の主食的調理品(スナック類)
他の主食的調理食品(中華まん、お好み焼き、たこ焼き、グラタン、ピザ、冷凍パスタ、焼きおにぎり)は需要が高く前年も超えた。スナック類は12月を除き、全ての月で前年を超えた優良カテゴリーだ。今年も好調なため積極的に販売したい。
売場づくり
調査は冷蔵、冷凍を含んでいるため幅広い。秋から冬にかけて小麦粉を使った「粉物」が中心になるため、冷蔵売場、冷凍食品売場とも「和洋中エスニック」の品揃えを増やす。
卵
「卵」「バナナ」は「物価の優等生」と言われていたが、飼料、肥料、人件費などコスト高から価格が上昇してきている。昨年10月の卵の価格は約10%上昇している。それにより消費支出も伸びたが、購入数量は落ち込んだ。最近のトレンドから、平均単価アップ、購入数量ダウン、消費支出アップが続きそうだ。
売場づくり
冬に向かい食卓に煮物、鍋などホットメニューが登場する。卵は「料理の5法(生、煮、焼、蒸、揚)」で幅広く使える食材であるためメニュー提案を行い、購入数量を伸ばしたい。冷蔵の加工卵は生卵の近くにレイアウトしたい。
トレンド商品
アップルパイ、冷凍パイシート
リンゴの収穫シーズンを迎えます。そのまま食べてもおいしいが、加熱すれば甘さが増してこれもおいしい。パン売場では「アップルパイ特集」を企画してホールを含め3~5アイテムほど品揃えしたい。
また、冷凍食品の「パイシート」も売りのチャンス。冷凍平ケースのエンドでフェースを広げて販売する。リンゴを好みの大きさにカットして煮込み、パイシートに包んでオーブンで焼くだけ。
スコーン、クローテッドクリーム
イギリスでは朝食にスコーン、ドーナツスコーン(穴あきスコーン)と濃厚なクローテッドクリーム、フルーツジャムと紅茶、コーヒーを飲む習慣がある。最近は日本のパン売場でもスコーンを品揃えする店も多くなったため、クローテッドクリームと生ジャムを同時に売り込みたい。
冷蔵ケースの最下段にクローテッドクリームと生ジャム、フルーツソースを陳列し、その手前にスコーン、ドーナツスコーンを陳列して販売する。
リテールトレンドでは、加工商品・グロサリーについてを各種ご紹介しています。
詳しくはこちらより、ご確認ください。
Bagikan Berita Ini
0 Response to "需要の高いギョーザ、冷蔵は「料理の五法」に基づき、「焼き・蒸し・水・スープ・鍋・揚げ」と幅広く品揃えを|「これは押さえたい」日配編・2022年10月 - リテールガイド"
Post a Comment