食品小売業界向けのイベント「GroceryShop(グロサリーショップ)2023」。毎年米国ラスベガスで開催される同イベントには、世界各国から業界関係者が集結し、現在業界が直面している課題について深い議論が交わされる。2023年は、9月19日から21日までの3日間にわたって開催された。新型コロナウイルス禍が生んだ物流クライシス(物流業界が直面している諸問題)に続き、長期化が予想されるインフレなど、食品業界に襲いかかる課題は後を絶たない。こうした状況を改善するのではないかと期待される5つの新興サービスを紹介する。
GroceryShopは、欧米で開催される小売業界向けの祭典「SHOPTALK(ショップトーク)」のスピンアウトイベント。食品小売りに特化したイベントとなっており、2023年は3日間を通して176人ものスピーカーが登壇するセッションが開催された。同イベントで語られる業界の課題は、日本の食品小売業にとっても大いに関係のある話題ばかりだ。
今回は、3回にわたってGroceryShopで交わされた議論の模様をお届けする。第1回はGroceryShopの名物企画でもある、スタートアップのピッチコンテスト。どのようなサービスが業界関係者に評価されているかを知ることで、業界の課題も見えてくる。ピッチコンテストで聴講者の関心を集めた4分野、5つのサービスを紹介していこう。
恒例ピッチコンテスト、優勝は「需要予測AI」
23年も12社のベンチャー企業が最終選考に残り、各社が自社サービスに関してプレゼンした。23年、食品小売りの課題を解決する分野として、運営事務局が示したのは4つある。まず「生成AI(人工知能)およびAI」。
(1)「Guac」https://www.tryguac.co/
この分野で登壇した企業の中で、最も聴講者から票を集め優勝した米グアックは需要予測のAI「Guac」を開発する。同社が提供するのは、食品廃棄物を削減し、棚の可用性(商品の置き場が買い物客の期待通りであること)を高め、手動注文によるミスを減らして収益増を目指すというサービス。需要予測から発注作業までをカバーする。
同社によると、在庫管理の不備によるコストは、食料品店の年間収益の7%にも相当するといわれる大きな課題だ。そうした在庫管理における不備の26%は、需要予測システムがうまく機能していないことが原因だという。
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