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【PC短評】 約594gの軽くて凄いヤツ。秋の夜長のゲームプレイに ... - PC Watch

「ONEXFLY」

 2023年6月に株式会社テックワンの新製品発表会でお披露目された、CPUにRyzen 7 7840U、メモリにLPDDR5X 32GBを標準搭載することで、AAAタイトルでも快適にプレイできることを謳う次世代ポータブルゲーミングPC「ONEXFLY」がついにやってきた。

ハイビーム公式オンラインストアで販売が開始されており、オブシディアンブラックとスノーホワイトの2カラー、スペックは32GBメモリと1TBストレージが14万9,800円、32GBメモリと2TBストレージが15万9,800円の2モデルが用意されている。

 ディスプレイサイズは10点マルチタッチ対応の7型で解像度は1,920×1,080ドット(フルHD)、画素密度は315dpiと精細で、広視野角なIPSパネルは光沢仕様。画面の輝度は450cd/平方m)と明るく、一般的なデジタルデバイスで使用されているsRGB色域を100%カバーしている。極めつけはリフレッシュレート120Hz対応でハイエンドなゲーミング液晶のスペックそのものだ。付属品はACアダプタ、USB Type-Cケーブル、簡易マニュアルのみ。

 本体サイズは約263×98×44mm(グリップ部含む)、重量は約594gで「AYANEO 2S」と比較すると60g程軽く、コントローラの下部がフラットになったことでよりスリムになった印象だ。筐体表面は武蔵塗料でしっとりした肌触り、グリップの張り出しも少ないため手が小さくても握りやすい。またABXYボタンと十字キーがジョイスティックに対してオフセットしており、親指の移動操作に無理がないのも良い。

 CPUはZen 4アーキテクチャとなるRyzen 7 7840Uプロセッサ、グラフィックスはCPUに統合されたRadeon 780Mグラフィックスを搭載。システムメモリはLPDDR5X 8GB×4、ストレージはPCIe Gen 4.0×4接続の1TB M.2 SSD(NVMe)、OSはWindows 11 Homeがインストールされている。

 インターフェイスは、上部に3.5mmオーディオジャック、USB4、USB 3.0、下部にmicroSDカードスロット、USB4を備え、無線はWi-Fi 6EとBluetooth 5.2に対応する。サウンドは米HARMANのチューニングが施された、HARMAN AudioEFXによるゲーミングオーディオを備える。

正面右側にABXYボタン、スタートボタン、R3ジョイスティック、キーボードボタン、ターボボタン、左側にバックボタン、L3ジョイスティック、十字キー、ホームボタン
背面は中央やや左に吸気のみ
上部右からLB/LTボタン、M1カスタマイズボタン、電源、ボリューム、3.5mmオーディオジャック、USB4、USB 3.0、排気口、M2カスタマイズボタン、RB/RTボタン
下部右から右スピーカー、microSDカードスロット、USB4、左スピーカー

 メモリはMicronのLPDDR5Xとなる「MT62F2G32D4DS-026 WT」で容量は8GB×4。ストレージは「ONEXPLAYER Q3」でPCIe Gen 4.0×4接続の1TB。無線LANは「Intel AX210」でWi-Fi 6EとBluetooth 5.2に対応。バッテリ容量は48.5Wh(12,600mAh)となっている。

 OSのセットアップが完了するとOneXConsoleという専用の管理ランチャーがインストールされる。OneXConsoleではTDP、ファン回転数、バイブレーション、画面解像度、RGBイルミネーションといったシステム関連の設定から、ゲームライブラリの管理や豊富なキーバインドを実現するプログラミングハンドルを備える。またランチャーにはMem Reductというメモリ解放機能も搭載しており、アイコンをクリックすると一瞬でメモリが解放される。

 CPUはモバイル向けアーキテクチャのZen 4で、優れたバッテリおよびゲーミング性能を備えるPhoenix(開発コードネーム)から、AI推論アクセラレータを内蔵する8コア16スレッドのRyzen 7 7840Uを搭載。製造プロセスは4nmと極めて微細、ベースクロックは3.3GHz、ブースト時は5.1GHzの大台で駆動する。

 グラフィックスも最新のRDNA 3アーキテクチャとなり、CPUに統合されたRadeon 780Mを搭載し、12のGPUコアは2,800MHzで動作する。サンプルのシステムメモリは8GB×4、ストレージは1TBのM.2 SSD、OSはWindows 11 Home。

 CPUのレンダリングでパフォーマンスを測定する「Cinebench 2024」では、マルチコアは525、シングルコアは97、総合的なパフォーマンスを計測するPCMark 10ではスコア5485となった。一般的なオフィスタスクからマルチメディアの処理まで万能なパフォーマンスを発揮、32GBの大容量メモリを搭載していることもありデスクトップPCと言われても疑わないだろう。ハンドヘルドタイプのWindows PCでどこでもさっと取り出して仕事ができると言い張れば、社用PCとして導入できるかもしれない(できない)。なおすべての電力設定はシステムセットアップ後のデフォルトで実施している。

Cinebench 2024のマルチコアは525、シングルコアは97
PCMARK10のスコアは5485、一般的なアプリケーションならデスクトップPCのごとく快適に動作する

 Unreal Engine 4で開発された話題のオンラインアクションRPGBLUE PROTOCOL、同作のベンチマークソフトを使ってFHD解像度における最高画質と低画質の両方のプリセットで計測。最高画質プリセットのスコアは3,371で動作困難、低画質プリセットのスコアは9,203でとても快適という結果になった。オンラインのアクションかつMMOであることを踏まえると画質の妥協は必要だが、FHD解像度の低画質プリセットにすることで問題なく遊べる。

最高画質プリセットのスコアは3,371、レポートの平均フレームレートは24.108
低画質プリセットのスコアは9,203、レポートの平均フレームレートは63.382

 GPUのパフォーマンスを測定する3DMark Night Raidは20,143、Wild Lifeは12,040、Fire Strikeは5,363、Time Spyは2,292となった。ブラウザゲームなら余裕、カジュアルなゲームからAAAタイトルまでグラフィックス設定を調整すればほとんど動くと言っていい。ポータブルでありながらリフレッシュレートも120Hzに対応し、デスクトップマシン顔負けのゲーミング性能を発揮している。とはいえこれだけのマシンパワーを小型な筐体に詰め込んでいるためアイドル時のファンノイズはわずかだが、負荷がかかると相応に大きくなる。秋の夜長にゴロ寝スタイルでプレイする際は、吸排気口を塞がないように注意しつつ遊び倒したい。

内蔵グラフィックス向けのベンチマーク、Night Raidのスコアは20,143
クロスプラットフォーム向けのベンチマーク、Wild Lifeのスコアは12,040
DirectX 11を使用するデスクトップPC向けのベンチマーク、Fire Strikeのスコアは5,363
DirectX 12を使用するデスクトップPC向けのベンチマーク、Time Spyのスコアは2,292

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