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野生生物の取引、たとえ違法でなくても 専門家に聞く多様性のヒント - 朝日新聞デジタル

 生物多様性の劣化には、生息地の減少や気候変動などに並び、野生の生き物を直接捕まえたり、採ったりする「直接的採取」も大きな要因になっている。違法や不適切な取引も少なくなく、犯罪組織との関わりもある。WWFジャパン野生生物グループの西野亮子さんは、企業や消費者も含め、生き物とのつきあいかたを考えてほしいと話す。

 ――どういった生き物が、違法取引の対象になりやすいのですか

 世界的に見ると、トラ、ゾウ、サイ、センザンコウといった動物が大規模な取引の対象になりやすく、個体数の減少につながっています。象牙や漢方薬の需要があるとみられます。

 野生生物の違法取引は推定で年2兆円規模といわれ、麻薬や武器の取引と並ぶ大きな犯罪です。でも、業者にとってはほかの犯罪行為に比べて罰が軽く、発覚しにくい特徴があります。「やったもん勝ち」になってしまっているのです。

 にしの・りょうこ 1977年生まれ。WWFジャパンの野生生物グループに所属。野生生物取引に関する政策提言や民間セクターの取り組み参画の働きかけに携わる。

 ――日本ではそうした取引は多くないのでは

 海外で保護対象のトカゲを持ち込もうとした日本人が現地で逮捕された例もあり、決して無関係ではありません。

 ――国内に需要があるのですね

 日本は、ワシントン条約掲載種の取引で見ると、両生類の輸入第2位など、生き物の輸入大国です。ペット目的での取引が多く、特に、珍しい爬虫(はちゅう)類、両生類は人気で、展示即売会も開かれています。

 SNSや、テレビ番組で有名人が飼っている様子を発信することによるとみられるブームもあり、必ずしもペットとして飼うのが適切でないものも市場に出ています。

 こうした需要が原産国での密猟を誘発することにも注意が必要です。ブームを背景にした密猟が問題化したコツメカワウソは、商業取引が原則禁止となるワシントン条約の付属書1に記載されました。

 ――法的には、どういった規…

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