人民元と資源国通貨が下落、中国でゼロコロナ抗議広がり安全資産需要 - ブルームバーグ

アジア時間週明け28日早朝の外国為替市場で中国人民元が下落。オーストラリア・ドルなど資源国通貨も安い。一方で米ドルが主要国通貨の大半に対して上昇。中国で新型コロナウイルスを徹底的に抑えこむ「ゼロコロナ」政策に対する抗議行動が広がり、世界の市場のリスクセンチメントに影を落としている。

　　中国当局が市民の不満の広がりにどう対応するか明確になっておらず、社会の不安定化や政府による弾圧の脅威をにらんで投資家はドルや円、米国債などの安全資産にシフトする可能性が高い。リスク上昇で株式や商品、豪ドルや南アフリカ共和国ランドといった中国との貿易の関係が強い国々の通貨の需要も後退する恐れがある。

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　　コロナ対策の最近の一部緩和や不動産業界の救済策が中国株の目覚ましい回復につながっていた中での今回の劇的な状況変化で、中国経済と市場の先行きに新たな不確実性が生じた。中国人民銀行（中央銀行）が25日に発表した待望の金融緩和策も抗議行動の影響で効果が弱まりかねない。

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　　みずほ銀行のチーフアジアＦＸストラテジスト、ケン・チャン氏は「抗議行動を受けて中国社会の不安定化を巡る懸念が強まり、外国人投資家は中国投資のエクスポージャーを縮小するかもしれない」と指摘。「ゼロコロナ政策は転機を迎えつつあるようだ。不満の抑制にはコロナ対策の一層の緩和や改善が必要になる」と述べ、人民元が軟化する一方で安全資産需要がドルを後押しする可能性があると予想した。

　　ブルームバーグのデータによれば、オフショア人民元はアジア時間早朝の取引で0.5％下落。豪ドルは一時0.6％安の１豪ドル＝0.6713米ドルを付けた。南アフリカ共和国のランドは0.5％安。ニュージーランド（ＮＺ）ドルは0.3％安。円はほぼ変わらずの１ドル＝139円27銭。