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燃料電池事業を強化するトヨタ、需要高まる欧州・中国に商機 ... - 読売新聞オンライン

 トヨタ自動車は、水素を使って発電する燃料電池(FC)事業を強化する。需要が高まる欧州や中国に商機があるとみて、商用車向けを軸に外販を拡大し、コストの削減を図る。クルマの電動化で選択肢を広げ、脱炭素を後押ししたい考えだ。(佐藤一輝、山内竜介)

 トヨタは11日、水素事業に関する説明会を開き、2030年にFCシステムを年10万台分供給できるとの見通しを示した。大型トラックや小型商用車向けが中心で、年20万台規模への上積みも視野に入れているという。

 専任組織「水素ファクトリー」のトップを務める山形光正氏は、販売先は中国や欧州が多いと説明。「海外で数をつくって、安くしたものを日本に持ち込みたい。一刻も早く水素を持続性のある事業にしていく」と語った。

 FCは水素と酸素で発電する仕組みで、二酸化炭素(CO2)を排出しない。モーターを回して走る燃料電池車(FCV)は、「究極のエコカー」と呼ばれる。

 調査会社の富士経済は、FCの世界市場規模が30年度に5兆円程度と、22年度の約10倍になると予測する。トラックやバス、タクシーなど商用車を中心に、FCVが8割近くを占める見通しだ。トヨタはFCシステムの性能を高めつつ原価の低減を進め、広がる需要の取り込みを図る。

 トヨタは14年、世界初の量産型乗用FCV「ミライ」を発売した。ホンダなどが追随したが、国内のFCV保有台数は21年度末時点で約7000台。国の20年までに4万台という目標に遠く及ばなかった。

 最大のネックは 充填じゅうてん を行う水素ステーションの少なさだ。電気自動車(EV)の充電設備が約3万か所あるのに対し、設置コストの高い水素ステーションは約170か所にとどまる。

 一方、商用FCVは倉庫との往復など同じルートを走ることが多く、水素ステーションの効率的な配置や消費増が見込める。商用EVは大容量の電池が必要になり、車体の重量が増えて航続距離が短くなるが、FCVにはその懸念がないため走行距離の長い大型トラックに適する。

 トヨタの中嶋裕樹副社長は「商用車は(FCV拡大の)ペースメーカーだ」と話す。商用FCVが水素ステーション拡充のけん引役となれば、乗用FCVの本格普及を後押しする期待もある。

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