北海道が観光振興税(宿泊税)の導入に苦心している。国内旅行先として圧倒的な人気を誇るが、土地の広さ故に道民が仕事で宿泊する機会も多く、ビジネス客にも課税すれば受益と税負担のバランスが求められる法定外目的税の性質が揺らぎかねないためだ。加えて道が目指す「観光の高付加価値化」も均衡を崩しかねない要素をはらんでおり、多くの宿泊客が納得し、広く受け入れられる税制度を設計できるかが試されている。
「観光振興税をビジネス客に納めてもらうのは矛盾しているのではないか」。4日の道議会予算特別委員会で、太田憲之道議(自民)が鈴木直道知事に疑問を投げ掛けた。知事は副知事や担当課職員と答弁内容を相談し、「ビジネスの方も観光を楽しむ、ある意味ではそういったサービスを利用する状況があるので、ご負担をお願いする必要があると考えている」と答えた。
ビジネス客にも宿泊税を課すのかという問題は、これまで道議会や有識者会合で繰り返し議論されてきた。道内の主要都市間は数百キロ離れている例がざらにあり、道民が仕事で宿泊施設を利用する機会が多いからだ。
宿泊目的を観光とビジネスに分けて集計した統計はないものの、2022年の道内の宿泊者延べ数に占める道民の割合は49・2%で、全国平均の26・8%を上回った。新型コロナウイルス禍前の19年も全国平均の18・7%に対し、道内は35・6%。全国に比べて割合が高い背景には一定のビジネス需要があるとみられ、観光振興を目的に徴収する宿泊税について、受益と負担のバランスが取れているのかという疑念がくすぶり続ける。
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