不動産投資に不可欠なものと言えば「賃貸需要」だ。首都圏であればいわゆる「ターミナル駅」を中心に、そこから放射状に広がるアクセス網をイメージする人も多いだろう。
そのように「住みたい需要」を考えるとき、賃貸仲介店舗を訪れた入居希望者が、希望の”お隣”駅をおすすめされる、というケースは現場でよくあると聞く。
つまり、駅名自体が名指しされることは少なくても、賃貸仲介の営業マンに誘導されることでその駅を気に入って、そのまま長く住み続けるケースも多くあるのではないか。
今回はそのような仮説を念頭に、日本最大のメガターミナル駅である新宿駅のお隣に位置する、京王新線の初台駅を取り上げてみる。
「駅徒歩0分」のイタリアンレストランから初台の魅力を語る
初台駅南口から地上に出ると、右手に始まる駅前通りのすぐ横に「ITALIAN GRILL BAR No Menu」がある。お店を構えるアルパ夫妻を訪問し、チーフシェフであるアルパ・ベイシ―氏から初台に関するお話を伺った。
「初台で店を始めて5年ほどになります。場所を探すにあたり、駅近にはこだわりたかったけどゴミゴミしたところは嫌だったので、『少し外れたところ』だけどオフィス街でもあり、落ち着いた住宅地の雰囲気も併せ持つ初台を選びました。」
京王電鉄HPによると、初台駅の乗降客数は44,000人/日を超える。一方の新宿駅と言えば、乗降客数としては私鉄など各路線の合算で300万人/日を超え、ギネス認定で世界一を誇るメガターミナル駅だ。
そんな新宿駅の南口付近から初台駅までは甲州街道に沿って約1.5kmであり生活圏や商圏を共有できる距離であるがゆえ、新宿に下支えされる初台には乗降客数以上の”駅力”がありそうだ。アルパ氏は客層や街の雰囲気を語る。
「平日ランチに来るお客さんは7割が女性です。夕方には軽く一杯を楽しんだり、PCを開いてくつろぎながら食事を楽しむ人もいます。週末にはお子さん連れの家族客も来てくれますし、新宿も徒歩で『ふだん使い』ができる距離です。
新国立劇場でイベントがあるときなどは数千人単位で人が動くこともあります。落ち着いてワインを飲みたい人、音楽を聴いたあとゆっくり食事をしたい人など、様々なシーンで利用してもらっています。予約をしていただけたら、イタリアンだけでなく、フレンチ、トルコ料理、和食も選んでもらえるようにしています。」
渋谷、代々木上原へも好アクセスの交通要所
初台の立地的な特徴は、新宿のお隣というだけではない。新国立劇場とオペラシティビルの真横にある「初台」交差点は、東西に走る甲州街道と南北に走る山手通が交差する交通の要所でもある。初台エリアからは、新宿のみならず渋谷や代々木上原への好アクセスも確保できる。
アルパ氏も初台のロケーションについて更にコメントをしてくれた。
「駅前通りにはスーパー、肉屋、魚屋など生活インフラが整っているだけでなく、静かで治安がよく落ち着いた雰囲気がそのまま代々木上原方面までも続いているような印象です。また、ランニングや散歩も楽しめる緑道が笹塚方面に繋がっていますし、自分で渋谷方面までランニングしたこともありますが、十数分で行けるほどよい距離感です。」
利便性の高い駅に周辺の再開発が加わり、更なる将来性が期待できるポテンシャル
JRや私鉄各線で新宿へとつながる路線は大きく2種類に分けられる。1つは新宿が終点となる路線、もう一つは乗り換えなしで新宿を過ぎて山手線の内側に入っていける路線だ。
初台駅は京王新線の駅であることから都営新宿線に直通しており、乗り換えなしで山手線の内側にもアクセスできるという、より高い利便性も備えている。
また、2023年2月には、新宿と初台の間に相当する「西新宿」エリアが「西新宿三丁目西地区第一種市街地再開発事業」として都から再開発の認可を受けた。商業施設と住居の複合施設、歩行者デッキや広場の整備などが予定されている。
再開発の組合設立についても同時に認可を受けている。2月下旬にはさっそく準備組合の解散を兼ねた組合設立の総会も実施された。再開発組合は法人格を持っており、今後は金融機関での借入も可能になり、地権者である組合員を中心に権利変換計画の策定等に向け動き出した格好だ。
令和16年頃までの長丁場となる開発だが、初台から新宿に向かう景色は一変し、オフィスも含めた”住みたい需要”に追い風となる要素だ。メガターミナル駅のおひざ元として、初台駅周辺の今後の更なる発展に注目したい。
執筆:
(さんとうりゅうおおや)Bagikan Berita Ini
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