和牛
和牛は観光地を中心に需要が大きく伸長。国内旅行客、インバウンド(訪日外国人)ともに人気の東京都内の観光地に出店する和牛メニューを売りにした飲食店は「破竹の勢いで客足が伸びている」と対応に追われる。地方でも、飲食店や旅館向けの銘柄和牛は引き合いが強い。
一方、物価高の影響で家庭消費が落ち込み、相場は低迷。建値となる東京食肉市場の加重平均価格(A5、去勢)は5月以降も平年を5~7%下回って推移する。
総務省の家計調査(2人以上世帯)によると、5類移行後の5月の牛肉の支出額は前年比4%減の1833円。例年、大型連休で同月の支出額は伸びる傾向だが、低調に推移。豚肉や鶏肉は前年比で伸びており、高価格帯の牛肉の苦戦が鮮明となった。
果実
果実も似た傾向だ。東京の青果卸は、メロン「アールス」などで「ホテルや機内食向けに高まっている」という。小売店では、節約志向を受けて、値頃感を打ち出せるカット売りのスイカなどの売れ行きが良い。しかし大玉のメロンやマンゴーなど「1000円以上の高級果実が売れていない」(東京の青果店)という。
米
米は、コンビニや外食向けなど業務需要に勢いがある。農水省がまとめる米卸の直近6月の販売数量は、中食・外食向けが前年比4%増と前年超えが続いている。
小売り向けは販売数量こそ堅調だが、節約志向の高まりで高価格帯銘柄の販売は鈍い。売れ筋は低価格の特売商品になる。米の購入先もディスカウントストアやドラッグストアといった業態の割合が高まっており、大手米卸は「消費者の低価格志向が強まっている」と指摘する。
(斯波希、鈴木雄太、永井陵)
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